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第24話

本日までマルシェ目線です。

マーリス様の提案を了承した私は、その日からサラリアをはめるために行動を始めた。

準備を進めるうちに、私は自分がサラリアを裏切り者だと証言した場合、どれだけ悲惨な目にあうかも理解するようになった。


だが、それに私が罪悪感を覚えることはなかった。

それどころか、サラリアの没落を予想した私が覚えたのは、優越感だった。


あのサラリアだって、私には勝てない。

やはり私は特別な人間なのだという。


だって、そうとしか考えられなかったのだから。

彼女が大切にしていた婚約者は私のものとなり、サラリアはその婚約者に裏切られて堕ちていく。

本当に、これ程サラリアにお似合いな末路はないだろう。

そう考えるたびに、私の心には暗い歓喜の感情が溢れ出す。



「これじゃ、あの女が特別みたいじゃ無いのよ!」



……だから、私はどうしても今の状況を受け入れることができなかった。


貴族の令嬢に絶大な人気を有し、第一王子を差し置き王太子になるのも時間の問題と言われる第二王子ライフォード様。

辺境伯という身分を利用してアプローチしてもなお、まるでなびかなかった彼が、サラリアを助けるために動いている。

それはまるで、ライフォード様があの女に思いを寄せているよう。


「あり得ないあり得ないあり得ない!」


その考えに、私は思わず唇を噛みしめる。

何故、こんなことになった。


本来ならば、私は今他の貴族の令嬢達からうらやまれながら、婚姻の準備を整えているはずだった。

そう、落ちぶれていくサラリアを笑いながら。


……なのに、現状はまるで別だ。


今日ライフォード様は特に何もせずに去っていったが、故意ではないと言え、勝手に王子の名を使った私達を許すことはないだろう。

それは明らかに危機的状況で、その一方でサラリアは王子に目をつけられている。


これでは、最初考えていた立場がまるで逆転してしまっているでは無いか。


「絶対に認めないわ!私を差し置いてあの女が王子に手をつけられるわけがない!」


そして、そのことを私はどうしても受け入れることが出来なかった。

屈辱で煮えたぎる頭の中、私は絶対にこのままでは済まさないと決意を固める。

何とかもう一度、サラリアを地の底に堕としてやると。




……それが、破滅に繋がる道であることにも気付かずに。

明日から、マーリス目線となります

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