夢現
夢と現。
どちらに君はいるのだろうか。
世界それは詩人が語る物語
頁を捲る度筆致が変わるものなのだ
主人公の声が題を繰り返し復唱する
夢は消えず未来を示す標識
虚無は絶えず真理を映す演劇
回想場面は記憶の色を奪っていく
夢現どちらも意義は変わらない
昨日が服を脱いで僕に振り返る
ここにいるよ確かに
君の温もり感じるよ
迷路の如く螺旋の如く立ち現れる
最大多数の最大幸福に飲み込まれる
忘れ物をしたと気づいたのは随分後になってから
夢現どちらか意思を失えよ
明日が盾を片手に僕を突き放す
ここにいるよ確かに
君の涙受け止めるよ
僕が生きる世界には誰がいる
本当は僕一人なのかもしれない
君すら孤独が生み出した虚像だとしたら
生きる意味とはどこにあるのだろう
ここにいるよ確かに
君の温もり感じるよ
ここにいるよ確かに
君の涙受け止めるよ
世間に言わせればラブソングではないと言われるかもしれないし、或いは典型的なラブソングだと言われるかもしれない。
僕にとって「正しさ」というものがあるならきっと、 君の温もりと君の涙。
正しさの反対は正しくないことではないし、僕にも守りたいものができたということなのだろう。