表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第五話

「ボクに毎晩、ベッドの上で『愛してるよ真琴』って囁いてよ」


 亭主の壬生翔一郎が、おもわず腰を引きながら恐れ戦く。


「なっ、なに馬鹿なこと言ってんだよ。そんな恥ずかしいこと、照れくさくて言えるわけないだろ」


「ちぇっ」っとふて腐れる新妻真琴。


「照れくさいなら手紙でもいいからさ。毎日『愛してる真琴』ってラブレター書いてよぉ、翔兄ぃ」


「できませーん、却下」


 真琴の口調を真似する翔一郎。


「ももいろ財務大臣殿、その提案は却下します」


 壬生家の総裁として、ここは引くに引けないところだ。組織のトップとしての威信が掛かっている。


「ふーんだ、いいよ。じゃあボクも、インプレッサWRXの『ももいろ指紋認証スイッチ』を解除してあげないからねっ」


 つまりは『朝のももいろチュウちゅうバトル』も開放してあげないと同義。国土交通大臣兼任の与党総理も舌を巻く、野党代表フレッシュな若妻議員の国会答弁だ。


 このままでは、まずい。


 幼馴染であるふたりが正式に入閣もとい入籍して約一年。早くも政権交代してしまうのは、火を見るよりも明らかだ。


 ただでさえ鉄壁の「おこづかい事業仕分け制度」のマニフェストで、がっちり財布の紐を握られているというのに。


「じゃあ翔兄ぃ、そろそろ後半戦のスタートだよ。覚悟はいい?」


 真琴がちいさな両掌で亭主の頬をむぎゅっと挟む。


「なっ」


 翔一郎は成す術もなく、そのままぐいっとこうべを直角に曲げられた。


 ファミリーカーWRXという愛の巣で、満面の笑みを浮かべる真琴。


 彼女は叫んだ。


「ももいろエンジン、スイッチオン!」


 妻の桃色エプロンにプリントされた、ヒヨコさながらの黄色い音色が車内に響き渡る。


 ぶっちゅーう。


<了>

後半戦「翔一郎の逆襲編」はナイショでこっそりこってり書きますね。犬も食わない新婚夫婦の悶絶バトル。この続きが、一体何処で繰り広げられることやら。。。君にこの謎が解けるかな、名探偵?<組長>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ