表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/101

第6話 魔法と索敵

 旅の準備を整えドルト村からエルセン・シティに向け出発した。


 ドルト村を出発してから移動中は折角なので獲得したスキルのチェックをした(ほぼ魔法のチェックだったけど)。


 街道沿いなので魔法を乱発するなど無茶はあまり出来なかったが (ちょっとはしたけど)、色々な事が分かった(主に【ロラ】から聞きました)。


 まずは魔法の使い方だが、手順はこうだ。

まず使いたい魔法スキルを意識する。次に魔法の完成形をイメージし、魔力をそのイメージに注ぎ込む。完成したら対象に向けて発射する。


 今までも生活魔法を使っていたしこれならなんとなく出来そうだ。

早速試してみる。まずは手を前に突き出し【七元魔法(火)】スキルを意識しつつ炎の矢をイメージしながら魔力を込めて行く。すると炎の矢が手の前に現れる。それを近くにある岩に狙いを付けて撃ち出す。


 炎の矢は朱色の帯を曳きながら高速で岩に突き刺さり弾けた。そして岩には直径2cmほどの穴が空いていた。


「おおお、魔法だ!!ついに俺も魔道士だ。いやいや、剣も使えるから魔法剣士だな」

 思わず声を上げて喜んでしまう。その後もテンション上がりまくりで思わずニヤニヤと表情に出てしまう。


 更に同じく炎の矢を複数同時に作りだし放つと標的の岩に複数の穴を穿つ。

よしよし、これは使えそうだ。

 そしてこの炎の矢を『フレア・アロー』と名付けよう。


 その後何度か『フレア・アロー』を撃ち、威力や何発同時に撃てるか試す。


 威力は魔力を込めた分だけ上がるようだが、あるラインを越えるとそれ以上は魔力を込められなくなるみたいだ。しかしイメージする魔法を変えると更に魔力は込められた。イメージする威力や性質の差かもしれない。これはこれからも検証が必要だろう。


 次に何発同時に撃てるかだが、同時に撃てるのは今のところ16発が限界の様だ。おそらく【七元魔法】や【魔道術】のスキルレベル、そして自身のレベルが上がればまた変わってくるだろう。それにイメージをする魔法によっても色々変わりそうだな。


 他にも色々属性魔法を試した。そのお蔭で使い勝手の良さそうな魔法がいくつか出来た。これからの冒険者生活に役立ってくれるだろう。


 さらにかなり楽しみにしていた【召喚魔法】を試しに使ってみようとしたのだが『契約召喚獣がいません』と言われて何も出来なかった。この時は一気に気分がダダ下がりになった。

 こうして【召喚魔法】はしばらく死にスキルになったが、いずれ必ず使いこなしてやると心に決めた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ドルト村を出てから3時間が過ぎた頃、街道の南部に大きな森が見えてきた。

時間もまだ10時を過ぎたくらいだし、一度森で力試しをしてみるか。



 と言う事で俺は今森の中にいる。


 森に入って索敵の為【探知術】を使おうとしたら【ロラ】からのメッセージが流れる。


『【マップ】に【探知術】をリンクする事が出来ます。実行しますか?』

おおお、これが【マップ】の機能拡張ってやつか。

もちろん「YESだ!!」


『【マップ】に【探知術】をリンクしました。これによりマップ上に感知したものを取捨選択して表示することが可能になりました』


 さすがと言うかすごいな。早速、魔物と人のみを表示するように設定。魔物は赤で表示、人は敵対意思が有れば黄、無ければ白で表示するように設定した。


 早速【マップ】を開くとマップ上やや離れた所に赤い円がいくつか表示されている。それぞれの円の大きさ違うみたいだが魔物の大きさか強さに依って違うのかな?

 取りあえず近場で一番小さい赤丸に向かう事にする。


 【隠蔽術】を使用して移動を開始。


 そうこうして移動を開始してから15分が過ぎた頃、第一魔物発見!!


 人型の魔物で体長は1mより少し高い程度、皮膚は緑で歯や爪が異様に鋭く尖っている。

 大陸中どこにでも生息し、今まで何度も対峙してきた魔物。

 ゴブリンだ!

 今まででも1人で勝てる相手だったが、一応強さを確認した方がいいか。


 では鑑定開始!!


 【種名】ゴブリン   【種別】妖精族(闇)

 【レベル】6(E)

 【スキル】短剣術:レベル 1

      繁殖 :レベル 3


 あれ、ゴブリンって何で妖精族? 魔物じゃないの?


『ゴブリンは妖精族に区分されますが、大枠では魔物で間違いありません』

 じゃ、妖精族はすべて魔物なのか?


『いいえ。ゴブリン族は魔神と契約を行い、魔の眷属になった種族です。その為、魔物に分類されています。その証として通常妖精族の体内に魔石は存在しませんが、ゴブリンの体内には魔石が存在します』


 なるほど、ゴブリンにはそんな過去があったのか。


 でだ、ゴブリンのレベルは6か。詳細ステータスが出ないのは不満だが、まぁ、今まででも倒せていたし余裕だろう。ここは1つ魔法の実験台になってもらおう。


 では戦闘開始だ!!


 【隠密術】を使い出来るだけ近づき、ゴブリンの死角から5本の純魔力の矢『マジック・アロー』を撃ち込む。そしてそれと同時にゴブリンに向けて突撃を開始したのだか、最初の『マジック・アロー』が頭に直撃してそのままゴブリンは絶命してしまった。

 『マジック・アロー』:【七元魔法(光)】スキルの純魔力の矢。属性が無い為汎用性が高い。『フレア・アロー』を森で使うと火事になりそうなので考えた結果出来た魔法。


 実にあっけない幕切れだ。ゴブリンとは言え今までここまであっさり倒せたことは一度もなかったのだが、まさか最初に1発目で倒してしまうとは、さすがに思わなかった。


 俺の能力がそれだけ高いのか、魔法が偶々良い所に当たったのか今後も検証が必要だな。


 取りあえずゴブリンの死体を【神倉】に回収して、次の獲物を探すことに。(この時分かったのだが、直接触らなくても視認して【神倉】に入れたいと意識するだけで収容出来るようだ)


 最初の戦闘から30分が過ぎ、4体のぼっちゴブリンを狙って倒し、少し余裕が出て来た頃……



 ここで一つの疑問が解けた。視界の先に3体のゴブリンがいる。そしてさっきまで【マップ】上で、やや大き目な赤丸だったものが小さな赤丸3つに変化していた。そう! どうやら大きな赤丸は複数体の魔物がいる事を表していたようだ。


 さて、疑問が1つ解けたのはいいがゴブリン3体をどうするかだが、これまでの人生でゴブリンを複数同時に相手したことはない。ただ今日戦ってみた感覚では普通に戦っても特に問題ない気がする。

 【創造神の加護】により、かなり能力の底上げが出来ているようだし、複数体相手の近接戦闘練習の相手としては丁度いいかもしれない。


 と言う事で早速ゴブリンの攻撃をかける。


 そして勝負は一瞬で終わってしまった。

 突撃と同時に1体の首を切断、更にそのまま勢いを殺さず2体目の胴体を横一閃に断ち切り、残る1体も唖然としているところを頭に剣を振り下ろし、命を絶った。


 レベルはまだ上がらないが、戦いに少し自信が持てるようになった。



 再び移動を開始。この森はゴブリンばかりみたいだし複数体でも5体程度なら問題なしと判断し、大き目の魔物反応でも避けずに戦いを挑むことを決め移動を続ける。


 しばらく移動したところで、大き目の魔物反応がある。ゴブリンの複数体かと油断して近づくと、2m近い体長の黒い狼が3体こちらを見ていた。


 やばい! すでに俺に気付いているようだ。ここはゴブリンばかりだと思い【隠密術】を疎かにしていた。ちと油断が過ぎたかな。


 いきなり襲ってこないようなので鑑定をしてみる。


 【種名】ブラックウルフ   【種別】魔狼族

 【レベル】10(D)

 【スキル】咆哮   :レベル 1

      咬みつき :レベル 3

      瞬発力強化:レベル 1

      嗅覚強化 :レベル 3


 うん、ちょっとやばいかな。ゴブリンよりレベルが高い上に素質ランクも高い。1対1なら同じレベルだしまだ何とかなるかも知れないけど3対1はさすがにちょっとヤバいか? 既に俺の事を認識しているから奇襲もかけられない。さてと、どうしたものか。

                                   



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 第1回【ロラ】先生に聞いてみよう。(不定期開催)

 888888888888888

 このコーナーはアルカディア(この世界の名前)の情報・疑問を【ロラ】先生にお答えいただくコーナーです。


 第1回は『スキルのレベルについて』です


 謎の男「では先生、質問です。スキルのレベルについて教えてください」

 先生『面倒なので一覧で表示するから見て確認してください』

 謎の男「……」


 スキルレベルは1~7まであり、上がるほどその技能が上がります。能力の目安は下記の通りです。


 レベル1:見習い  

 レベル2:駆出し  

 レベル3:一人前

 レベル4:実力者

 レベル5:一流

 レベル6:達人

 レベル7:超越者


 謎の男「ちなみにこの世界の住民達はスキルの概念は在るくせに、スキルレベルの概念がないそうです。その為実績が無ければレベル1もレベル5も評価は大きく変わらずただスキルを持っている括りで評価されます。もちろんスキル持ちでも実績の在る実力者にはそれ相応の評価はされるようですが。ちなみにスキル以外のレベルの概念も無いみたいです。では次回まで。アディオス」


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ