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第12話 レベル上げ

ブックマーク&ポイントありがとう御座います。

 翌朝、6時の鐘と共に起き、身だしなみを整えると宿屋の1階にある食堂に向かう。


 マイリーさんに朝の挨拶をして朝食とお弁当をお願いした。

 3分ほど待つとマイリーさんが朝食をトレイ乗せて運んできた。

 

 さぁ、都会の朝食だ、といっても内容はそんなに変わったものは無く、黒パン2つに野菜スープ、卵焼きにソーセージ2本と普通の朝食だった。味も普通に美味しく満足のいくものだった。



 食事を終えると、お弁当を受け取りそのまま宿屋を出た。


 宿屋を出た後はギルドには立ち寄らずそのまま城門へ向かう。

 まだ7時前だというのに既に城門近くの道には多くの人が往来している。

 都会人も朝は早いのだなと、どうでもいい事を思いながら城門を通り抜け、街道沿いから森の方に少し離れた所まで移動し足を止めた。


 さて、取り敢えず【マップ】機能の【マーカー】を試しにこの場所に設定して……

 ってどうやるのだ?

 【ロラ】教えてくれ。


『了解しました。【マーカー】の設定方法は【マップ】を開き現在地のポイントを意識して【マーカー】設置と頭の中で唱えてください』


 相変わらず感覚的にできて親切設計な【創造神の加護】様だな。

 で、早速【マップ】を開き言われたように現在地を【マーカー】設定した。


 続いて【転移魔法】を使ってみよう。

 転移するには転移する場所のイメージが必要だ。イメージするのは昨日、オーガと戦った場所だ。


 頭の中にオーガを戦った場所の風景を思い浮かべる。そこにスキル【転移魔法】を意識し魔力を込めると、目の前の景色が一瞬真っ暗になり次の瞬間、森の中に立っていた。


 おおお、出来た!!! 確かここからエルセンまでかなりの距離があったはずだけど、わずか一瞬で到着とは王都からの移動の時も思ったが【転移魔法】マジ便利すぎ。でもこれどれくらいの距離、転移できるのだろう?


『【転移魔法】の転移距離は術者の魔力値と【転移魔法】のスキルレベルによって変わってきます。

詳細は魔力値1=100m、スキルレベルが1上がるごとに1.3倍の補正がかかります。

 具体的に言いますと、現在マスターは魔力値が556、【転移魔法】レベル1になり転移できる距離が55.6kmとなります。これがスキルレベル2になりますと72.2km、レベル3で93.9kmと伸びていきます。ただ、マスターには【魔の神才】があるため実質【転移魔法】レベル3となり現在転移出来る距離は93.9kmとなります』


 なるほど、現状で結構な距離を転移できるんだな。このままレベル上げていったら大陸中を一日で飛び回れる日が来るかもしれないな。

 ちなみにMPはどれくらい消費するんだ?


『【転移魔法】の消費MPは、1人あたり1km=10MPとなります。今回の転移は約10kmだった為、MPの消費は約100MPとなります。ただマスターには【魔道術】スキルの【MP消費量軽減】機能が在りますので実質消費MPは約70MPとなります』


 1人あたりって事は複数でも転移出来るのか?


『はい、出来ます。術者が指定した者を同時に転移させる事が可能です。消費MPは先ほど述べた通り1人あたり1km=10MPですので、2人同時転移ならば1km=20MPとなります。

 また、指定出来る範囲は術者の能力に依存しますが、広くても半径20mほどになります』


 なるほど、いくら俺のMPが多くても長距離転移を複数人で行うには流石にキツイかもしれないな。まぁ、レベル上がればそれも解消出来そうだけど。


 さっ、【転移魔法】ついてはここまでにして今日の目的は狩りだ。

 第1目標はオーガ、それから第2目標は未見の魔物かな、出来るだけ効率よくレベル上げが出来る場所を探すぞ。



 早速【マップ】&【探知術】を使い魔物を探す。

 

 ここからさほど離れていない所に『不明』の魔物反応を発見。大きさ的に3体~5体の群れのようだ。

 距離も近かった為【千里眼】で獲物を確認する。


 映し出されたのは猪のような頭をした亜人だ。体長は人間とさほど変わらないようだが、かなりでっぷりした体型だ。見た目のイメージ的におそらくオークだろう。それが3体見える。

 【千里眼】越しに鑑定は出来ないので【隠密術】を駆使し目視出来る位置まで移動をし、早速鑑定をする。


 【種名】オーク   【種別】猪頭族

 【レベル】15(D)

 【スキル】棍術     :レベル 2

      筋力強化   :レベル 1

      耐久力強化  :レベル 2

      繁殖     :レベル 4


 なんか微妙だな。だいたい【アイアン】ランクの冒険者と同じくらいの実力だろうか?

 少し物足りないかな。この程度ならさっさと済ませてしまおう。


 『マジック・アロー』を3つ展開してヘッドショットを狙う。

 1体は頭に直撃してそのまま絶命した。残りの2体は腕で防御をして、頭への直撃は避けられたようだが、ガードした腕を負傷、突然の攻撃にパニック状態になっている。

 一気に間合いを詰め混乱している、オーク2体の首を刎ねた。


 オークはレベル差があるから、既にザコ扱いだな。なんて思いながら死体を【神倉】に収納していく。


 やっぱりメインターゲットはオーガだな。

 さて、次いってみますか。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 オーガを探して森を彷徨うが、オーガは中々見つからず、途中各種薬草を採取しながらゴブリンやブラックウルフ、オークを狩り奥に進んでいく。


 1時間半くらい経った頃、【マップ】に新たな『不明』の魔物反応を発見。

早速移動を開始する。ほどなくして銀色の虎を発見した。

大きさは普通の虎と同じくらいだろか?

 30cmはあるだろう鋭い牙とすごく綺麗な銀色の毛並みが特徴的な虎だ。

まずは鑑定からだな。


 【種名】アーリータイガー   【種別】風虎族

 【レベル】23(C)

 【スキル】咬みつき   :レベル 3

      筋力強化   :レベル 1

      瞬発力強化  :レベル 3

      縮地     :レベル 2

      風装衣    :レベル 2


 うん、オーガクラスだね、よしよし、思わずニヤケてしまう。

 オーガがパワー特化の魔物だとするとこいつはスピート特化の魔物だ。ただ俺の能力ならスピード勝負でも負けない自信がある。ならばいつも通りでいく。


 【隠密術】を使い出来るだけ近づくと『マジック・アロー』を5発撃ち込む。銀虎は奇襲に反応して躱そうとするが、魔力の矢が2本直撃する。

 しかし、銀虎は直撃したことを気にするそぶりも見せずこちらに風の衣を纏いながら突っ込んで来た。反撃しようと構えるが銀虎の動きは思ったよりも速く危うく爪での攻撃を食らいそうになる。それをなんとかギリギリで回避することに成功する。


 銀虎が再びこちらに取って返して再び風の衣を纏い突っ込んでくるが『マジック・ランス』を使いそれを妨げる。銀虎が一瞬怯んだ隙にこちらが一気に間合いを詰めると、銀虎は反撃しようと爪で攻撃してきた。その攻撃を紙一重で躱し銀虎の首に鋼のバスタードを振り下ろし、一撃で銀虎の首を刎ね飛ばした。


『レベルが上がりました』


 おっし、さすがに自分より高レベルの魔物を倒すと効率がいいな。ただアーリータイガーはやたら速いから面倒くさいな、やっぱりオーガが一番かな。などと考えながらアーリータイガーの死体を回収する。



 さて、アーリータイガーも回収したし、探索の続きをしたいがオーガを探しても中々見つからない。【マップ】はかなり広い範囲網羅出来ているが、【探知術】の索敵範囲がそんなに広くない。【マップ】上で魔物の検索ができないものか……。


『【マップ】と【探知術】がリンクされている為、【マップ】内に限り既知の魔物を検索することが出来ます』


 な、なんですと~!! もっと早く教えてよ!!


『マスターからの疑問や問い合わせが無いことにはお答えできません』


 くっ!! 頭の堅い奴め。まぁ、いいや、早速試してみよう。


 【マップ】を開き検索対象はオーガでお願いします。

 すると特にメッセージが流れるわけでもなく、急に【マップ】上に今までになかった赤い×マークが増えた。早速調べてみるとオーガと表示された。それも同じ所に3体固まっている。

 さっきまで見つけるのにあんなに苦労したのにあっさりだな。もう、考えるのはよそう


 ターゲットのオーガの下に向かう。それほど遠い場所ではなかったので他の魔物に襲われることなく30分くらいで目的の場所に到着した。


 さてと、どうしよう……。

 数は3体、レベルも前と同じで24のようだ。今の俺のレベルなら正面から行っても3体なら大丈夫だと思う。

 でだ、どうせなら魔法を使わずに剣だけで倒せるか試してみるか。オーガなら足が遅いからピンチになれば逃げればいいし、何事も経験だ。よし、では覚悟を決めていきますか。



 突撃の前に鋼のバスタードに斬撃強化と防具に打撃耐性強化の即効系【付与魔法】を掛ける。剣と防具が一瞬淡い光に包まれすぐに収まった。それを確認すると俺は【闘鬼術】を全開にしてオーガに向けて突撃していく。


 オーガは俺の動きに全く反応できていない。そのまま一番近くにいたオーガを袈裟切りに斬り伏せる。斬られたオーガは血を吹き出しその場で崩れ落ちる。死んではいないようだがおそらく戦闘不能だろう。

 止めは後にして次のターゲットに向かう。


 奇襲による混乱状態から立ち直ったオーガは既に臨戦態勢で俺を迎え撃つ。剣と剣が激しくぶつかり合い、そのまま力比べへ移行する。激しい鍔迫り合いから、オーガは大きな身体を利用して体ごと押し切ろうとするが俺はそれを力で押しとどめチャンスを窺う。

 しかしそこに残りの1体が突っ込んで来た。このままではさすがにやばそうなので、鍔迫り合いをしていたオーガを蹴り飛ばし、突っ込んで来たオーガに相対する。オーガは躊躇いなく一気に突っ込んでくるが、初撃を紙一重で躱しそのまま胴体を一刀両断する。


『レベルが上がりました』


 レベルアップのメッセージを聞きながら先ほど蹴り飛ばしたオーガの下に突撃を掛ける。まだ体勢を崩したままのオーガに剣を振り下ろす。オーガは何とか剣で受け止めるが俺の力に押し切られ肩口まで剣がめり込む。痛みで剣を取り落としたオーガに向けて、再び剣を振り下ろし、首を刎ねる。


 最後に残りの瀕死のオーガの下に行き首を刎ねた。


『レベルが上がりました』


 再びレベルアップのメッセージが流れ、今回の戦闘が終了したことを告げた。


 レベルを確認すると今回の戦闘で24まで上がっていた。充分過ぎる成果にホクホク顔になってしまう。


 さすがに少し疲れたので、休憩がてら少し早い昼食をとる事にする。

 マイリーさんの所で作ってもらったお弁当はサンドイッチだった。


 サンドイッチを食べながらドルト村にいた頃の事を思い出してしまう。

 ドルト村でよく隣のおばさんがサンドイッチを作ってくれたな。それにドルト村の人はよそ者の俺にいつも優しく接してくれた。ラングスターにいた時とは雲泥の差だった。

 いつか冒険者で成功したら、報告に行かないとな。


 などと一人考えながら食事を終えると早速オーガ狩りを再開させる事にする。


 早速【マップ】を開きオーガの検索を開始。すると少し離れた所にかなりの数のオーガが一所に集まっているのを発見。


 オーガの巣か? 数は大まかに数えて20前後か・・。

 レベルも一気に上がったし、今の俺なら何とかなるかな? 他の場所には今のところオーガは見当たらないし、取りあえず見てみて考えよう。


 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 なんかヤバゲなものが混ざっているな。

 

 オークやビッグスパイダー、ブラックウルフを狩りながら約1時間掛けてオーガの巣(?)まで来て最初に思った感想である。


 何がヤバゲなものかと言うとオーガの1.5倍はある巨人が4体も混ざっていたからだ。

 その中でも一際大きい黒い巨人は、かもし出す雰囲気からして他のとは明らかに違う魔物だ。

 では鑑定してみるか


 【種名】トロール   【種別】巨鬼族

 【レベル】32(C)

 【スキル】棍術     :レベル 3

      身体強化   :レベル 3

      剛力     :レベル 3

      皮膚強化   :レベル 2

      再生     :レベル 2



 【種名】トロール亜種   【種別】巨鬼族

 【レベル】40(B)

 【スキル】剣術     :レベル 4

      身体強化   :レベル 4

      剛力     :レベル 4

      皮膚強化   :レベル 3

      再生     :レベル 2

      咆哮     :レベル 3


 ヤベ~!! トロール亜種ヤベ~!! さらにトロールが3体も、オーガよりかなりレベルが高い。さらにレベル23~25のオーガが21体となるとかなりの戦力だな。


 取り敢えず、なんとかなりそうな気がするけど、もう少し剣や魔法が慣れてから行くべきかな。まぁ、無理をする必要は無い。という事で俺は【マーカー】だけ設定してその場から撤退した。


 その後も俺は森で狩りを続けオーガ2体を始め、ゴブリンやブラックウルフを狩り、今日の成果に満足してホクホクしながらエルセンに転移で帰ったのであった。


 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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