第11話 宿屋と武器屋
ブックマーク100件超えました、読んで頂いた皆様に感謝です。
今後とも『ご都合能力の冒険者は自重する気は無いようです』よろしくお願いします。
冒険者ギルドを出て屯所に向かい身分証を提示し保証金を返金してもらった後は、そのままエレーラさんおすすめの宿屋に向かった。
エレーラさん曰く値段は手ごろで食事は美味しく量も多い、新人冒険者に人気の宿屋らしいが、女将さんが中々の強者で自分が気に入らない客は叩き出し、二度と泊めないらしい。だからかえって変な客はおらず安心して泊まれる宿屋との事。
「レオンハルトさんならきっと気に入られるから大丈夫ですよ!」とエレーラさんに太鼓判を押されたので、安心(?)してその宿屋を利用することにした。
エレーラさんおすすめの宿屋の名前は『懇篤の美女亭』。その名前に思わず期待してしまうのは男の性だろう。決して下心が有るわけではない。
「いらっしゃい。泊まりかい? それとも食事かい?」
中に入ると豊満過ぎるボディーの美女(?)が声を掛けてくる。
ん? 思わず固まってしまった。
「おい! どうした? 何、固まってやがる」
声を掛けられて我に返る。
いやぁ、仕方がないでしょ。だって目の前にいる人は上にも横にもビッグサイズのオバ様だったのだもの。一瞬オーガのメスかと思ったのは致し方ないことだと思う。
「あ、あの、冒険者ギルドからこちらを紹介されて・・。泊まりですが部屋は空いていますか?」
「あ~、冒険者か。部屋は空いてるよ。1泊2食付きで350コルド、1食でいいなら300コルドだ」
「じゃあ、2食付きで一週間分でお願いします」そう言い【神倉】から銀貨25枚を出す。
「毎度!! 朝飯は午前6時~10時まで、晩飯は午後5時~10時までだ。お湯が欲しけりゃ桶1杯までならタダだが2杯目からは10コルドだよ、まぁ、生活魔法使えるならいらないだろうけどな」
一通り説明すると「ほれ、お釣りだ。」と大銅貨10枚渡される。
「じゃあ部屋まで案内するからついてきな。あっ! そうそう私はマイリーだ、覚えときな」と言って歩き出したので「よろしくお願いします」と言い、ついていく。
部屋は2階の角部屋だった。鍵を渡しマイリーさんが去って行ったので早速部屋に入る。
部屋はベッドと机と椅子が有るだけのシンプルなものだった。
部屋に入りまず不良冒険者からの戦利品を整理する事にした。
さて、まずは全部出してみるか。
鉄の剣×2、鉄の短剣×3、鉄の細剣×1、鉄兜×1、革鎧×2、鉄の軽鎧×1、鉄のバックラー×2、鉄のカイトシールド×1、革ブーツ×3、力の指輪×1、ポーション×5
流石3人分。量は結構あるな。力の指輪以外大した物は無いけどね。取り敢えず武器は予備に取っておくとして防具はいらないから力の指輪以外全部売っちまうかな。
お金も余裕があるし武器を新調してもいいかな。とにかく一度武器屋でも行くか。
時間を見ると午後5時をまわったばかりだ。まだ武器屋は開いている時間だよな。
今ならまだ間に合う、武器屋に行こう。
マイリーさんに武器屋の場所を聞き早速向かう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
宿屋から武器屋に向かうこと3分。武器屋の看板を掲げた建物に到着した。
宿屋と同じくらいの大きさの建物が2つ並んで建っており、それぞれに武器屋と防具屋の看板を掲げている。
「いらっしゃいませ」
早速武器屋に入ると、20代半ばくらいの男性が椅子に座ったまま声をかけてくる。
店内を見渡すと防具屋と中で繋がっていたのに少し驚いたが【ロラ】曰く商業都市ではよくある造り、という事らしい。
しばらく商品を物色して気になった武器を手にとる。
手にとったのは、いつも使っている鉄の剣よりも30cmほど長い剣で柄も握りこぶし2個半分長くなっている。気になる値段はプライスカードに32,500コルドと表示されている。結構高いな。
取りあえず鑑定してみるか。
【名称】 鋼のバスタード+1
【ランク】上等品
【付与】 斬撃強化+3
いわゆる片手半剣というやつだな。
今までの剣だと些か間合いが狭いと感じていたから俺にしたら、こいつの方が合っているかもしれん。
間合いが30cm伸びればオーガの首も一刀両断出来そうだし。
それに+1と付いている。高品質ということだろうか?
『その通りです。品質には-3~+5までの9段階あり数字が大きくなるほど高品質になります』
なるほど少し品質は良い鋼のバスタードと認識すればいいだろう。
更にこの剣には斬撃強化+3が付与されているようだ。
中々よさそうだな。
「すみません。この剣少し試しに振ってみたいのですが」店員さんに声をかける。
「それでしたら裏で試し振り出来るようになっていますよ、こちらです」
と裏に案内してくれる。
裏には縦10m横5mくらいの広い空間があり、弓の試し撃ちが出来るようになっていた。
俺は店員さんにお礼をいい、早速鋼のバスタードを構え振ってみる。
筋力の能力値がかなり上がっているからか振っていても余り重みを感じない。さらに両手で持って振ってみる。
これはすごい、両手で振れるため今までの剣よりもスピードが格段に上がっている。
盾は腕に固定するタイプだから左手はいつも自由に使える。この剣ならかなりの攻撃力アップが望めるのではないだろうか。材質も鋼だから鉄の剣よりも数段威力が増す、これは買いだな。
早速店内に戻り店員に声を掛ける。
「この剣を買いたいのですが、あと一緒に売りたい物が有るのですがいいでしょうか?」
「ありがとうございます。売りたい物とは何でしょう?」と聞く店員さん。
「実は防具なのですがいいですか?」
「はい、大丈夫ですよ。お持ちいただければ鑑定させて頂きます」
とOKが出たので早速カウンターに不良冒険者から回収した防具を出していく。
「アイテムボックス使いの方だったのですね」
と何も無いところから次々に防具が出てきてかなり驚いているようだ。
「売却品は鉄兜×1、革鎧×2、鉄の軽鎧×1、鉄のバックラー×2、鉄のカイトシールド×1、革ブーツ×3でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です」
店員さんの質問に答える。
「では査定しますので少々お待ち下さい」といい早速査定を始めた。
待っている間店内を見て時間を潰す。10分後査定が終わったようでカウンターに呼ばれた。
カウンターに行くと店員さんは嬉しそうに
「かなり状態がいいですね。まるで新品みたいですよ」と高評価だ。
さすが【神倉】様だ。あの不良冒険者のボロ装備品も修復&浄化で新品同様になったようだ。
「防具のランクとしては低いですが、状態が良いので買い取り金額は全部で12,000コルドです。鋼のバスタードの販売価格32,500コルドからその分を引かせていただき、更に端数も値引きさせていただき、20,000コルドでいかがでしょう?」
うん、特にお金に困っている訳でも無いしいいかな。
「はい、それでいいです」
と返事をして金貨2枚を店員さんに渡す。
「ありがとうございます、これからもご贔屓いただきますようお願い申し上げます」
すごく丁寧な店員さんだなと思いながら鋼のバスタードを【神倉】にしまい店を後にした。
宿屋に戻ると早速装備の変更をしていく。
とは言ってもメイン武器を鋼のバスタードにして、後は力の指輪を装備するくらいだけどね。
で今のステータス兼装備がこんな感じです。
【名前】 レオンハルト 【年齢】 15歳
【種族】 人族 【職種】 冒険者
【ランク】アイアン
【レベル】19(GS)
【HP】861/861
【MP】8596/8596
【筋力】556 (GS)
【耐久】553 (GS)
【俊敏】553 (GS)
【器用】552 (GS)
【知力】552 (GS)
【魔力】553 (GS)
【幸運】555 (GS)
【加護】創造神の加護
【装備】鋼のバスタード+1 鉄のバックラー 革鎧 布服 布ズボン 革ブーツ 力の指輪
うんうん、順調に強化出来ている。お金も17万コルドくらい有るし、冒険者としては最高のスタートが切れたのではないだろうか。
さて、明日は森に入ってレベル上げとお金稼ぎでもするかな。
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第5回【ロラ】先生に聞いてみよう。(不定期開催)
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このコーナーはアルカディアの情報・疑問を【ロラ】先生にお答えいただくコーナーです。
謎の男「こんにちは2話ぶりです。今回の『【ロラ】先生に聞いてみよう』ですがアルカディアの時間や年月日について聞いてみましょう。先生よろしくお願いします。」
先生『面倒なので一覧で表示するから見て確認してください』
謎の男「……もはや定型文ですね」
時間及び年月日は下記の通りです。
1時間 = 60分
1日 = 24時間
1ヵ月 = 30日
1年 = 12ヵ月
※単位は地球と同じです。
毎日朝6時~夜8時まで2時間置きに鐘がなります。
ちなみに鐘の鳴る回数は朝6時、昼12時、夕方6時が2回、それ以外は1回です。
謎の男「1年は360日で地球よりも5日少ない計算になりますね。ただ週間単位の考えが無く定休日も無い様で、各々が休みたい日に休むらしいです。では今回はここまで、次回まで。アディオス」
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