宗教聖戦 敵を伐つべく
<前回までのあらすじ>
作戦会議やった。
作戦会議は早々に終わり、地元軍の人達が作戦位置に到着するのを待つ。到着次第作戦開始だ。各々この聖戦という名のテロをするための戦争に対する思いはちがう。
私含めほとんどの兵士にとってはなんともないが礼二にとっては大切な幼馴染みを亡くして初めての戦闘だ。へましないか心配だ。ロカルノはなまった体をほぐすためと軽い気持ちなのかもしれない。しかしその軽い気持ちが吉にも凶にもなる。今回は吉と出てほしい。神無は海軍からの電撃移籍で戸惑っているようすだ。ペトラ先輩の服の袖をさりげなく掴んでいる。
一方新人アレンは少しうつむいている。出身国は違えど近くの似たような種族と一緒にされる気持ちは決して良いものではない。
沈黙を破ったのは金先輩だった。
「アレン、おまえさんもやっぱり辛いか?同じ人種の人間が自分いや信仰する神の名によって狂い武器を取るという選択肢を選んだことに。」
アレンは「別にそういうことではありませんよ。」と言って再び沈黙が訪れた。それは一本の通達によりすぐ破られた。
「作戦準備、完了しました。これより作戦を遂行します。そちらも基地から出て、敵の潜伏先へ向かってください。健闘を祈ります。」
地元軍の隊長からだった。私達はすぐ銃を手に取り基地を後にした。
作戦を開始してはや一時間が経過した。敵はまだ姿を見せない。金先輩が運転する戦車の上にはラウハと私そしてロカルノの三人。内部には看護師のペトラ先輩と神無、礼二とアレンがいる。金先輩はこう見えても戦車の扱いになれている。普段の事務員の顔とは違ったと礼二がいっていた。
走るところは無論辺り一面砂漠の中。見通しはいいが、見つかったら私達が怖い。いや予感しかしない。張りつめた神経は進行方向左側に向いた。敵の戦車が三百メートル先からこちらに向かってくる。すかさず金先輩に指示をする。
「えぇ……三百メートル先敵の戦車あり。三百メートル先敵の戦車あり。」
「了解。そちらに向かって撃つから頭引っ込めて撃ってね。」
通信を終え、三人は内部と外に繋がるはしごに乗っかり、銃だけ出した状態で撃つ。見えないのかって?見ないよ。ほぼ効果がないことは承知だけど。
ドォンと巨大な弾が敵に向かって放たれた。しかしギリギリのところでかわされなかなか当たらない。相手側の攻撃も金先輩の腕なら朝飯前だ。その代わり私達が戦車酔いの犠牲になる。華麗に戦車は敵の弾をかわし潜伏先側まで持っていくつもりだ。金先輩が勢いに乗っている間にラウハは地元軍の進行具合を確認する。もう一キロで着くそうだ。空軍もいつでも出来るよう待機済みだ。私達とあと一キロ。敵の潜伏先はもうすぐだ。
「これなら行ける。」
金先輩にラウハが状況を伝え、金先輩は「おぅ。」と一言返し走り続ける。やがて見えたのはアラジンとかに出てきそうな美しいお城だった。
閲覧ありがとうございます。
さて敵の潜伏先までもう少し、このあとどうなるか。美しいお城を空軍は壊すか壊さないか。そこも気になるところです。




