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0話 一度目の終わり

(あぁ、死ぬんだな)

雨が体に当たった。その冷たさだけがやけに鮮明で、空は今にも落ちてきそうなほど暗かった。

今思えば、始まりは本当に些細なことだった。

理由もなく、突然、何もする気が起きなくなった。学校に行きたくなくなった。ただ、それだけのこと。

きっと他人から見れば取るに足らないことなのだろう。

けれど、僕にとっては世界が崩れ始めるには十分すぎる出来事だった。

気づけば、自分が今どこに立っているのか分からなくなっていた。

時間は進んでいるのに、僕だけが置いていかれている気がして、同級生たちの背中がどんどん遠ざかっていく。

不安はやがて形を変え、頭の中に居座るようになった。

そして、いつの間にか、死ぬことを考えるようになっていた。

空はさらに暗くなり、雨が本格的に降り始める。

僕はコンビニに立ち寄り、昔好きだったうまい棒を一本だけ買った。

うまい棒を食べる。

味は変わっていないはずなのに、なぜか美味しいとは感じられなかった。

自分の舌が変わってしまったのか、悲しく感じた。

エレベーターに乗り込む。

扉が閉まり、階数の表示が一つずつ増えるたび、心臓の鼓動が早くなっていった。

最上階に着き、外に出る。

下を覗き込むと、思っていた以上に高く、足の裏がじわりと痺れた。鼓動が早まる。

怖い。

そう思った瞬間、まだ間に合う、と頭のどこかで声がした。

……やめよう。

そう決めて、引き返そうとした、その瞬間だった。

足が滑った。


「あっ……」


嗚咽と叫びが混ざった、情けない声が漏れる。

そして、

――ダン。

鈍く、そして重たい音が、雨音に紛れて響き渡った。








初投稿です。不束者ですが、優しく見てください。

また、何かアドバイスがあったら聞かせてください!

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