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第三十話
僕の視線の先にある扉の模様。
たこすんが言ったようにこの扉の模様は左右対称に描かれている、僕はそう“勘違い”していたんだ。
僕の目線の先にある場所は、唯一模様が左右で対象に作られていない部分だ。
ほとんど模様は同じで、よく見ていなければその違いに気づくことは難しいだろう。
僕もたこすんの助言が無ければ気づくことは出来なかった。
僕は扉へと近づき、その模様が左右で異なる場所に手を伸ばした。
僕が手を伸ばしたさきには何かがある。
この遺跡について何も知らないはずの僕だが、何故かそう確信していた。
カチッ
僕の思惑通り、そこには何らかのスイッチが設置されていたようだった。
そのスイッチが音を立てて動けば、その音に続いて周りの壁の向こう側から続々と音が聞こえてくる。
その音に動揺するも、すぐに次の出来事が僕たちの前へと現れた。
からくりが発動したのだろうか、音がなり始めて数秒後、目の前の扉が少しずつ開いていった。
その様子を見て、僕たちは周りから聞こえてくるカラクリの音なんてどうでも良くなっていた。
扉が開ききると同時にカラクリの音はなりやむ。
僕は扉の向こう側へと視線を送った。
そこには壁に埋め込まれた棚に隙間なく詰められた本で溢れた、言わば“図書室”があった。




