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第二十七話
その文章を読んでも、今の僕がその意味を理解することは無かった。
特に気にも止めず、僕は男の子の後ろ姿を追って、遺跡の中へと足を踏み入れた。
遺跡の中は薄暗く、明かりはほとんど見られない。
壁に掛かったくもの巣を見れば、より気味の悪さが増していくように感じる。
そんな景色に、少し奥へと進むのを躊躇う僕がいた。
けれど男の子はそのことについて別に気にしていないようだった。
一度来たことがあるからなのか、もうこの景色には見慣れてしまったのかもしれない。
なんて自分の中で疑問に思ったことに答えを出しながら、僕は遺跡の奥へと足を進めた。
闇に包まれた遺跡の道に、僕たちの足音だけが響く。
遺跡の中の長い道を歩き始めて約数分。
僕の視界へと映り込んできたのは、どこか見覚えがあるけれど、人間が使う文字ではないような字で刻まれた文章だった。
僕はその文章を、不思議とスラスラと読めてしまっていた。
そこには“扉を開くには鍵がいる”と書かれていた。
とても当たり前かのようにも思えるこの文章に、僕は違和感を抱いた。
その違和感が、どこから現れたかなんて分からない。
だけれど、その文字を見ているとまるで“自分が書いた文字”のように思えてならなかった。
筆跡が僕のものと似ているように感じてしまうのは、気のせいなのだろうか。




