第二十二話
「早く起きろや!」
小鳥のさえずりで……、なんてことはなく、僕はたこきれの怒鳴り声で目を覚ます。
昨日は早く起きることが出来たのだが、今日はそんなこと無かったようだ。
まあ、僕の遅刻癖は治ることを知らないため仕方がない。
なんてよく分からないことを考えながらベッドから体を出す。
まだ眠いのが分かるほどに寝ぼけている僕。
なにか刺激の強いことでもあればすぐに目が覚めるのにな、なんて思えば一瞬でフラグを回収してしまった。
「……おはよ。」
僕は聞き覚えのない声に驚き、咄嗟に声の方を振り向く。
そこにはたこきれでは無い、別人であろう喋るタコスの姿があった。
そんな光景に目を見開かざるを得ない。
僕の驚き具合を見てか、たこきれはクスクスと笑っている。
説明求む、なんて寝起きとは思えないほどにしっかりとした声で頼めば、たこきれは渋々説明し始めた。
説明してもらっておいてなんだが、ほとんど聞いていなかった。
最初に言われた言葉がインパクトすぎて、そのあとの内容が脳を通らずに耳から出ていってしまったからである。
聞き取れたことだけをまとめるとこうだ。
彼の名前はたこすん。
人見知りだから今は素っ気ない態度だけど優しくしてやってくれ、との事らしい。
あのたこきれがそんなことを口にしたことに驚きだったが、この思いは伏せておこう。
言ってしまえばたこきれから雷が落ちるだろうな、なんて考える。
ほかにはたこすんは僕の昨日の朝ごはんが分裂したとかなんとか。
朝ごはんが分裂した割にはたこきれの体の大きさは変わらないんだね、なんて心の中でツッコミを入れる。
そんなことを疑問に思うも、僕たちは朝食を食べるため、食堂へと足を運んだ。




