第二十一話
扉を開ければ自然と映り込んでくる、机の上に並べられた料理たち。
どれも美味しそうな料理で、漂ってくる匂いを嗅ぐだけでも美味しい料理だと確信できるほどだ。
「お、きたか。」
僕が来たことに気がついたのか、分かりやすく表情が明るくなる魔王。
そんな姿を見て本当に魔王なのかと聞きたくなる。
相当お腹がすいていたのかな、なんて思いながら僕は用意された席へと座る。
そして肩からたこきれをおろすと、胸の前で手を合わせた。
「いただきます。」
そう一言呟き、並べられた料理を口へと運んだ。
さすがとしか言いようがないほどに美味しい料理に軽く感動しながら、僕たちの夕食の時間は終わりを告げた。
自室に戻る途中、たこきれと他愛もないような雑談をする。
そんな雑談の中で、僕たちは明日の話をしていた。
「明日は魔王に迎え来ちゃダメだよって言おうかな。」
僕がそんなふうに呟けば、すかさずたこきれが頷く。
「あいつが来たら学校中が騒ぎになるからな。」
ただでさえ女子しかいない学校だと言うのに、そんななかで女子人気が高い魔王が僕を連れて帰ったらどうなることやら。
昨日だけでも視線が痛かったというのに。
そんなことを想像していれば、不安な気持ちが溢れてくる一方だ。
二人で雑談を繰り広げていれば、あっという間に自室までたどり着く。
僕はベッドの傍に置かれた多少大きなクッションにたこきれを下ろすと、ベッドへと飛び込む。
ふかふかなベッドは、そんな僕の体を包み込むようにして受け止める。
「おやすみ。」
そう言ってからたこきれの頭を軽くなでると、僕は意識を手放した。




