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第二話
僕は少し走るスピードを落とし、曲がり角を曲がる。
その瞬間、僕の視界に人影がうつった。
「「うわっ。」」
僕は何かとぶつかった拍子にその何かに跳ね返され、先程居た位置より少し後ろに尻もちを着く。
思わず出してしまった声のせいで口が緩み、タコスを手放してしまった。
しかし、視界の隅には同時進行で落としてしまっていた鞄の上にタコスが乗っているのが見える。
それを見た僕は少しだけ安心した。
タコスのことを考えながらも視線をあげると、そこには僕より少し年上くらいの男の子の姿があった。
その子を見て瞬時に僕はこの人にぶつかったんだと理解する。
その男の子は心做しか少し驚いているような、そんな表情を浮かべているように見えた。
立ち上がってぶつかってしまったことを謝ろうとすると、腰に痛みが走る。
尻もちを着いた時に打ってしまったのだろうか。
痛みのせいで立ち上がることに苦戦していると前にいた男の子が僕に手を差し出す。
「大丈夫か?」
僕はその子の手を取るとその場に立ち上がる。
「ありがとうございます。」
僕は男の子にお礼を言うと、その子に微笑んだ。
男の子はそれを見て僕に微笑み返してくれた。
その笑顔はどこか安心できる、とても懐かしいような笑顔だった。




