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第十五話
「「おぉ。」」
門をくぐって出た言葉は少し気の抜けたような声だった。
高い塀に囲まれ、中の様子がほとんど見えなかったこの学校。
門の向こうにこんなにも立派な建物が広がっているとは想像してもいなかった。
その事もあって僕たちの驚きはより一層増す。
驚いた拍子に出た言葉がたこきれと重なったことにも驚いたが、今はそんなことで立ち止まっていられるほど時間がある訳では無かった。
「おい、時間やべぇぞ。」
そのことに気がついたのはたこきれのその言葉のおかげだった。
僕は止まっていた足を再び動かし始め、この学校の職員室へと足を運んだ。
途中迷子になりかけたが、自分の勘を信じてめげずに歩き続けたことで無事にたどり着くことが出来たので問題は無い。
そういうことにしておこう。
職員室に行ってからはもう楽なもので、教室までは担任の先生が案内をしてくれた。
おかげで余計なところに目移りすることなく、自分のクラスまでたどり着くことが出来た。
先生は僕よりも先に教室の中へと姿を消していく。
扉が開いた音がすれば、教室内から聞こえてきた雑音は一斉になくなり、静かな空間だけが残されていた。
そんな中先生の話声だけが響く。
そして名前を呼ばれたことを確認した僕は、先生の後を追って教室へと足を踏み入れた。




