第十三話
「あれはブラボーの通う学校の制服じゃないんだよな。だからあれは必要じゃない。」
そう言うと目の前の食事を自分の口の前まで運ぶ魔王。
じゃあなんで昨日制服だよと言ってあの服を僕に渡したのだろうか。
先程までの疑問は消え去ったが、また新たに疑問が湧き出てくる。
そしてその疑問に答えるように、魔王が口を動かした。
「予め制服を渡しておけばブラボーは絶対学校に行こうとしないからな。」
そう言うと持っていたフォークを机に置く。
魔王は僕が食べ終わったのを確認すると、僕の手を引いて見たことの無い部屋に連れてきた。
部屋の中に入ると沢山のドレスが並んでいる。
魔王は奥の方から数着のドレス持ってくると、少しニヤニヤしながら僕に問いかける。
「どれが好みだ?」
僕はその中で青色の膝丈くらいのドレスを選んだ。
その色を見た瞬間、細かい飾り。
それらを見て僕はこのドレスがいい、そう感じた。
どこか懐かしくて、楽しみを覚えさすこのドレスに僕は一目惚れした。
僕がそのドレスを選ぶと魔王はそばの試着室を指さす。
「着替えてこい。」
「え?」
最初は訳が分からず、情けない声を出してしまったが、僕はすぐに理解した。
「そういう事か。」
予め言ったら僕が学校に行こうとしなくなる、魔王のニヤニヤした表情、僕にドレスを選ばせた理由……。
僕が行く学校の制服は『ドレス』なのだろう。
魔王の言動、行動から察するにそういうことだとしか言いようがない。
僕は再度魔王の顔を見たが、魔王はニヤニヤしながらこちらを見つめているだけだった。




