第十二話
「……ボー、お…ろ!」
かすかに聞こえてくる誰かの怒鳴り声。
その声に眠りを遮られ目を覚ます。
「ん、おはよ……。」
まだ眠っていたいとでも言いたげな声で朝の挨拶をする。
僕のことを起こしてくれたのはたこきれのようで、起きたら目の前にたこきれの姿があった。
「あ?……おはよ。」
少し目を逸らして挨拶を返すたこきれ。
そんな姿を見てたこきれにも可愛げがあるなと感じたのは秘密にしておこう。
呑気にそんなことを考えているとたこきれが何かを思い出したように僕に話しかけてくる。
「学校の支度しねぇのか?」
「そういえばそうだったね。」
魔界に来たことですっかりと忘れていたが、僕は今日から魔界の学校に通うらしい。
魔王が転校の手続きがどうのこうのと言っていたから、僕はおそらく転校生として行くのだろう。
僕は昨日渡された制服に着替えようとベッドから立ち上がる。
しかし、部屋のどこに目をやっても、僕の制服は見つかることは無かった。
訳が分からずも部屋をあとにし、たこきれと一緒に食堂へと向かう。
道のりは体が覚えてくれていたので迷うことなく、僕たちは食堂へとたどり着くことが出来た。
そして扉を開けて中へはいる。
そこでまちかまえていた魔王に、僕は制服のことで質問をした。
「起きたら制服が無くなってたんだけど、魔王はなんか知らない?」
そう言うと魔王は言ってなかったか、と言いたげな顔をしていた。
その表情を見て嫌な予感を感じとったのは気のせいだと思いたい。
そんな会話を心の中でしながら、僕は魔王の返答を待った。




