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第十話
考え事をしているあいだも僕の足は動きを止めることは無い。
気づけば僕はひとつの扉の前まで足を運んでいた。
いつの間にここに来たのだろうか。
そんな不思議に思う気持ちが湧き出てくる。
まあ、考え事をしていたのだからその間に無意識のうちにここへと来てしまっていたのだろう。
扉の向こうからは誰かの話し声が聞こえてくる。
その声に僕は聞き覚えがある気がした。
恐る恐る目の前の扉を開く。
「お、来たか。」
扉を開けばこちらに気がついた魔王がそう口を開いた。
机の上に並んだ豪華な食事を見れば、ここが食堂なのだと自然と理解する。
僕は無事に食堂へとたどり着くことが出来たらしい。
僕は魔王に言われるがままそばの椅子に腰掛けると、胸の前で手を合わせてから料理に手を付け始めた。
ふと、僕はそばに置かれている花瓶の花に目がいく。
机の真ん中に置かれているいちごのような色をした、キャンドルのようなその一輪の花は、どこか悲しげな色をしていた。
僕が料理を食べ始めて少し、魔王が僕に話しかけてきた。
いきなりどうしたのだろうか、そんなことを考えていたが、次の瞬間にはその思いもどこかに吹き飛んで行ってしまっていた。
「伝え忘れていたが明日から学校行くぞ。」
「へっ?」
いきなり言われたその文章に、僕は驚きを隠すことが出来なかった。




