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ここにいます。

 今、僕はある人の家にいます。

 そう、彼女、近藤さんの家です。

 何でこうなったか、端的に説明すると

 魔法が使えるようになったのはいいけど僕ってどこに寝泊まりすればいいのだろうか。この世界意外と寒い、ここに寝たら低体温症になるだろう。


「ほらついてきて。」


 彼女はまた、自分のバックから出した水瓶を割った。前回と同じようにドアが作られた。


「お邪魔します。」


 今回はちゃんとくぐれた。

 出た場所は、イギリス王室の家のような、宝石が壁に埋まってるようなとても豪華な場所だった。彼女、意外と金持ち?


「来てくれてありがとね。」

 

 40代前半のような、でもちょっと美人で、ちょっと化粧っぽい人が僕に話しかけた。


「どうも、どうも」

「これ、私のお母さん。」


 想像どうり。


「初めまして。」


 言う言葉はこれで合っているのだろうか。多分僕の顔は今、カエルのように、口が細くちょっと笑っていて、目は鳥のような細目で緊張しているだろう。


「そんな緊張しなくていいわよ。」


 と彼女、近藤さんの母、近藤さくらの母と握手する。それと同時に彼女は言った。


「珍しい」


 僕の手に刻まれている刻印を見てそんなことを言っていた。珍しいんだ。


「この刻印だと、回復系のようね。」


 回復系。そんな非科学的なことを聞いたのは中学生ぶりかもしれない。ちなみにRPGとかやるときは僕は僧侶とかでメンバーを固めるタイプだった。


「回復系は珍しいんですか?」


 僕はふとそのようなことを思ったので口に出してみた。


「そうねー。回復系といっても色々種類があるんだけど、死者蘇生から、普通の傷まで治せちゃう。でもやっぱこの刻印はお医者さん家系以外で初めて見たかもしれないね。」


 もう一個ふと思ったけど、さくらさんの母は手の刻印から、相手が何の魔法を使うかわかるんだな。


「お医者さん向けってことね。」


 さくらがそう言う。そして、彼女の母もそれを肯定する。


「そうね。」

「あ、自己紹介が遅れていましたね。私の名前は近藤のん。初めまして。魔法は大体何でも使えるけど、もちろん、専門的なことはできないわ。あなたみたいな、回復に特化した魔法とか。」


 へー。器用貧乏みたいのことかな。


「のんさんは刻印一つで、その人がどんな魔法を使うかわかるのですか?」


 気になったことを質問してみた。


「いや、全部はわからないわ。でも手に刻印が刻まれている人は少ないし。人によって刻印の種類は千差万別だけど、規則性はあるし、医療系のやつは珍しいからね。やっぱ。」


 少ないんだ。手に刻印が刻まれている人って。


「そう言えばちゃんと、さくらから試験の説明など聞きました?」


 確かにそういえばだ。全然聞いていない。全然わからない。


「すいません。聞いてません。」

「大丈夫よ、あなたは全然悪くないもの」


 そう言い、彼女、のんは自分の娘、さくらをにらみつけた。


「試験は来週あって、実習なんだけどただの実践テストで、貴方は参加しなくても大丈夫です、参加が必要なのは、魔法適応検査で、魔法族を絶滅させないためのものなんだけど、あなたには必要ないから試験会場いってボーっとしてもらうだけで大丈夫。」


 意外と楽?。そう思ったが僕の世界に帰った時仕事とかどうしよう。あんまりやることはないだろうけど、どうしよう。


「今、自分の世界に帰った時どうしようと考えてる?」

「あ、はい。」

「そういう問題は、私たちが何とかしちゃうから安心して。」


 便利な世界。少しそう思った。

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