座学
始まったのは只々普通の授業だった。
「ここがこうなるからこうなるんですね。はい。ここポイント。」
ずっと、座学で効果が出ている気がしない。とても眠くなるし。そう思ったので周りを見る。真面目に授業受けてるなみんな。これを毎回見るからちゃんと勉強しなければならないと思ってしまう。
「皆さん。これ宿題です。」
渡されたのは辞書のように分厚い参考書だった。
「これを明日までにやっておいてください。」
無理じゃない?。普通に無理だと思う。これを普通に読んで普通に解くんでしょ?無理だ。諦めよう。毎回そう思って近藤さくらに聞く
「これ、普通に解くの?終わらなくない?」
「また同じこと言うの?普通に読んで普通に解くの。頑張って」
少しあきれたような顔をしてこっちを見る。
一応ちゃんと宿題はやる。やっとかないと魔法使いにならないし。期待してくれている人に悪いし。魔法使えるようになったらかっこよさそうだし。この宿題を解くのに10時間かかった。睡眠時間をたくさん削った。僕はもう大人だからいいけれどもみんなこれやったら成長しない気がする。
「この宿題にどれぐらい時間かけてる?」
聞いてみた。
「一時間ぐらいかな。」
一時間。一時間?。一時間!?こんな量あるのに?どうやって?え?うそ?
「何でそんな早いの?」
「なんでって。魔法使って「時間」を短縮しているだけよ」
魔法。魔法ってそんなことできるんだ。いいなー。便利だなー。
「一言で言うなら頑張ってだね。魔法使いになるまでの我慢。」
彼女にそういわれたので我慢しようと思う。ちゃんと睡眠時間は確保できているので(3時間)。我慢はできるだろう。
昼休みの時間となった。
昼休みというのは何十年ぶりだろうか。とても感慨深くなってしまう。
昼休みは近藤さくらとカフェテリアで一緒に昼飯を食べる予定だ。そして、カフェテリアに行った。といっても売店に行っただけだ。
売店にはいろいろなものが売っている。で僕らは「食事」と書かれている水瓶を飲む。それだけで僕らの昼食は終わりだ。水瓶なのに美味しい。栄養バランスも考えられていて、毎日料理の味が違う。今日はカレーだった。
「緊急入荷!!」
そんなことが聞こえた。
そして、売店の職員の方たちが何かの水瓶を棚に並べていく。
「睡眠」と書いてある。下に説明として、「こちらの商品は一回飲むだけで自分の実際の睡眠時間×3倍の時間寝た感覚になり、ちゃんと疲れも取れるという最高の品物です。」と書いてある。そして、値段は「100円」。
僕は大人の財力というやつで大人買いした。