ヒロの街(ケアヴェストリート)
ケアヴェストリートは、旧市街の中心のようである。海側のカメハメハストリートとの間に、古い建物が集中てしいる。居並ぶ建物は結構古いが、作りは立派である。
現在のヒロの中心は、街の中央を分断する公園を隔てた東側に移っており、ホノルルのような高層建築は西側にはなく、さらに車や人通りが少ない上に曇天のせいもあり、通りの大きさと建物の立派さが、寂れた感じを一層際立たせている。
通りをゆっくりと歩いて行く、雨は止んだが相変わらずの曇り空だが、少し明るくなってきたかなと空を見上げると、時々雲の合間から陽が差し込んできた。
午前の少し早い時間のせいか、店は未だほとんど開いてないが、通りに面した店の中には大分前から扉を閉じたままらしい店がちらほらと見受けられた。
町並みは、古いのだが中途半端に古いため、マウイ島ラハイナのような歴史的景観保護地区には指定されずに、年々廃れていく状況にある。
最近は、少しずつ、古い町並みを保存・再利用する動きもあるようだが、この町並みが朽ち果て無くなってしまうまでに、果たして間に合うのかというのが、正直な感想だ。
現に、マモストリートにあったマモシアターは、台風により屋根が壊れたあと、放置されたまま何年かたった後、取り壊されて空き地になっていた。
マモシアターのように出来た空き地が、通りの両側にちらほらと見受けられることからも、心配されるところである。
カラカウアストリートとの交差点を横切るときに、通りの山側に目をやると、今年閉館されたばかりのヒロホテルが、閉まる前と同じ佇まいを残していた。
ヒロホテル、旧市街にあった唯一といってよいホテルだったが、とうとう閉まってしまった。
このホテルがなくなってしまうと、ヒロの街に泊まるならば、東側バニヤンドライブ沿いのホテルとなるが、これらのホテルはボルケーノ観光の拠点として利用している客が多いことと、旧市街から少し離れていることもあり、旧市街への人の流れが余計に少なくなり、寂れていくのではないかという考えが、頭を横切った。
そんなことを思いながら歩いていたら、ケアヴェストリートの端、マモストリートとの交差点にさしかかる。
目指すエルシーズは、ここケアヴェストリートとマモストリートの交差点の海側の角にある。
やっと来れた。
(続く)
エルシーズがかつてあった場所、その場所に佇んでいた建物は既にありません。その辺りは、完結編のあとがきでもう少し