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聖獣様は迂闊でかわいい【もふナビ】でした

もふもふ聖獣やっと登場です。


よろしくお願いします。

おはよーございます。

とてもいい朝ですね。まだ暗いけど。


教会の鐘の音で起こされました。鐘4つでしたよ。


どうやらこの世界に時計はないのか、あっても普及していないようだ。

親切にも一時間おきに鐘でお知らせしてくれるみたい。

真昼に12回鳴って、次の13時で1回に戻るのかな?


昨日の夜は気絶するように寝たから分からないけど、朝は4時からお知らせしてくれるらしい。


はぁ~、枕元でヘソ天で寝てる黒ネコが羨ましい。

ピアが来るまでまだ3時間もある。

というかこいつ寝すぎじゃないか?確か昨日の昼過ぎに宿に着いてからずっとだよな?


よし起こそう。

けして八つ当たりでわない。


俺は気持ちよさそうな腹毛を目一杯もふもふしてやった。

汚れてるせいで余りわからなかったけど、ちょっと毛が長いんだな。


「ほら、体調が悪くないならいい加減起きろ~」


わしゃわしゃわしゃ

うっ、ちょっと臭いしベタつくな。


そういえば俺も風呂に入ってないな。というか風呂なんてないか。

こういう時こそ魔法チートで「クリーン」で綺麗にならないかな。


…なりました。


いや本当どういう基準で魔法が発動してんだ?

あっ、綺麗になったからふわっふわのもふもふになった。


もふもふもふもふもふ……


『やめてっス!しつこいっスよ!』


俺の手から逃れるように部屋の天井辺りまで飛んだ。


「え?お前喋れるの?飛べるの?」


黒ネコはしまったとでも言うように、両前足で口を押さえて目をさ迷わせた。

それからそろっとベッドの上に降りたってキチンとお座りして「ニャ~」と鳴いた。


「いやいやいや、何事もなかったように出来てないから。テヘペロみたいに可愛くしたって誤魔化されないぞ。というかあの鑑定結果もお前の仕業か?」


黒ネコをがっしり捕まえて、胡座の上にのせ激しくもふもふしてやった。


『主、やめてっス!鑑定結果ってなんの事っスか?オレじゃないっスよ!』


鑑定水晶誤魔化しといたとか出たのはこいつのせいじゃないのか。


「でも主ってことは俺の従魔なんだな。それで聖獣?」


『うう…、あのままネコのふりして楽しようと思ったのに。

そうスよ。こっちの世界に来て聖獣になったみたいっス。で主を助けるように言われたんスよ』


「誰に言われたんだ?」


失言に気付いたのか、また両前足で口を押さえて首を横にふった。

いちいち仕草がかわいいな。俺はネコ好きだったのか。


『知らないっス、まだ言っちゃダメなんスよ!』


迂闊にポロポロ喋ってるけど気付いてないのかな?

ちょっと幼い?声いや念話か、もなんか高くてかわいい男の子だもんな。


誰だか知らないが、()()聴かないでおいてやるよ。


「言えないことは言わなくていいから、知ってる事を教えてくれ」


『わかったっス、酷い目にあったっスよ…』


項垂れて毛繕いしだした。ちょっと耳が垂れて頭がかわいいな。

癒しだな。


「お前何が食べれるんだ?ずっと何も食べてないだろ?」


『基本は主の魔力を勝手にもらってるっス。食べ物は嗜好品スね。でも果物なら大歓迎スよ!』


嬉しそうな顔、ネコでもわかるもんだな。

そっと撫でると手にすり寄ってきた。かわいい。


「なあ、主じゃなくて【ケン】って呼んでくれ。唯一同じ世界から来た相棒だろ?」


そういうと大きく目を見開いて、照れた様に顔を洗った。


『相棒…、へへ…。そ、それじゃあケン、オレに名前を付けて欲しいっス!』


にゃ~!かわいいがすぎるっ!

愛玩動物兼相棒、弟属性も有りそうだ。最強か?!


そうだな…かわいい名前、猫だからタマか?黒ネコだからクロ、ネロ…

ふと右前足を見て閃いた!


「靴下履いてるから【ソックス】で!かわいいだろ?」


『…ケンが名前をつけるセンスがないのはわかったっス。しかももうステータスに刻まれたっスよ』


「なんだよ、分かりやすくていいじゃないか」


ふて腐れて前足で頭を抱えた姿がかわいいからまぁいいか。

俺かわいいばっかり言ってるな。


「まずは今日の予定を言っておくな。朝7時ぐらいにピアが迎えに来て一緒に行く事になったから。旅支度をしたらそのまま深遠の森を突っ切ってジュポン国に向かう予定だ。地理はわかるか?」


『わかるっスよ。ピアって人は昨日の土下座の人っスね。…と言うか深遠の森を突っ切っるんスか?その人止めなかったんスか?!』


「面白そうにしてたけど?」


『ああ…、戦闘狂みたいっスもんね』


諦めたようにため息をついてる。


「深遠の森って危険なのか?魔法チートで結界張って行けばなんとかなると思ったんだけど。とりあえずこの国から早く出たいんだよな」


『ああ…』

(歴史的大罪とされる【勇者召喚】に関わりないようにしたかったようスけど、悪手だったスね。印象悪すぎてケンが不信感持ってるっスよ。今後も強制はしないだろうけど瘴気や魔物の事で頼みには寄って来るだろうから、ケンが嫌がるならオレも容赦しねえっスよ。

それにしてもケンの方から瘴気溜まりに近づいて行くなんて偶然か、あの方の導きか。どちらにしてもオレも気を引き締めないとスね!)


何かに納得したように片前足を顎に当てうんうん頷いている。

はぁ、かわいい。思わず抱き締めて顔を埋める。

もふもふもふもふもふ…

嫌がって肉球パンチ頂きました。ありがとうございます、ご褒美ですか?


『こんな事してる場合じゃないっスよ!結界だけじゃなくもう少し他の魔法も使えるようになってて欲しいっス』


「それだよ、何故か考えただけで魔法が発動する時があるんだよな。お前を綺麗にしたいって思ったら綺麗になったりして」


『はあ?!』

(あの方は何をしてるんスか?サービスしすぎっス!)


何故か怒ったように腕(前足)を組んで、俺を見上げた。


『ケン、事故を起こしてからじゃ遅いっスから、今度からちゃんと意識して魔法を発動するようにして欲しいっス』


かわいい顔だけど真剣さは伝わってきたので、俺もそれに答える。


「わかった。ソックス、やり方を教えてくれ」




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




本来なら体内で魔力を巡回させることから始めるらしいけど、俺の体は異世界仕様なのと魔力∞なので省いて大丈夫とのこと。

じゃあ何をするかというと、しっかりイメージする。それだけだ。

もう無詠唱で魔法を発動してしまっているので今更だって。

これも本来ならちゃんと詠唱の発音を覚えて、一言一句間違いなく唱えないと発動しないらしい。

皆大変だなぁと思ったけど、種族によって違うって。


種族とはなんぞやって話になるんだけど、異世界あるあるで、人族以外もいるんだって。

昨日は見掛けなかったなと思ったら、このアールスト王国は人族主義で他の種族が棲みにくい国らしい。

ますます早く出たいね。


そうしてピアが迎えに来るまでに、結構な数の魔法を発動できるようになった。

ほとんど生活魔法だけど。

だって攻撃魔法使って魔獣を倒す自分を想像できない。


ヘタレで結構!


牛や豚、鳥なんかすでに処理された肉しか見たことないし、魚だって秋刀魚の肝とかだけで後は切り身しか見たことないのに、いきなり生きてる動物(?)殺せるか?人型もいるんだぞ?


自分が殺されそうになったら、殺るしかないだろうけど、吐くかチビるかする自信がある。

だから出来るだけ結界でどうにかしたい。


そして唯一覚えた攻撃(?)魔法はこちらでっす!


「結界反射!」


もっとカッコいい名前があるんだろうけど、どうせ俺には名付けのセンスなんてないし、発動する時は無詠唱なんだ。


元の世界で漫画やアニメ、ネット小説なんかを人並みには嗜んでいたからその知識で考えてみた。

文字通り結界に向けて攻撃されるとその相手にそのまま反っていく、なんなら倍にして。


どうせなら不透明な結界にしたかったけど、さすがにソックスに却下されました(ショボーン)


ソックスは世界のナビで

ピアは生活面、常識の補助的な役割です。

(ピアに常識があるかは疑問ですが)


ありがとうございました。

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