ダンジョンあるあるお宝発見
ずいぶんご無沙汰な投稿です。
宜しくお願いします。
3階はコボルトだった。
かわいいワンコを期待してはいけない。目は血走るか飛び出ていて、口は裂けヨダレやなんか撒き散らしながら襲って来る二足歩行の犬もどきだ。
そして更に広い様なので、2時間程ポニーに乗る事が復帰した。
相変わらず、ポニーに乗った後は俺が使い物にならないけどスタンピードの事を考えるとそんなこと言ってられないのだ。うまくセーフティゾーンまで行けない時はテントなしの夜営になる。生憎ピアは普通のテントを持ってなかった。おいっ。
ただもうすでに俺は無意識に結界を張れるみたいで、具合が悪くても寝ていても絶対防御。
でっかいゼリースライムの酸でちょっと傷ついたぐらいなんでまだまだ大丈夫。
ちなみにこの世界のスライムは最弱とかでなく、すごく強いわけじゃないけど厄介な存在だと。まず物理攻撃が余り効かず、効いても分離してしまうので俺が倒した時の様に一気に殲滅するのがいいらしい。
だけどこの世界の魔法使いは貴重な存在だし、威力ある魔法を使える者は国が抱える存在。しかも俺が放ったファイアボールほどの威力を出せないので、本来ならあのビッグゼリースライムなら国軍が2千は出撃して半数以上の死傷者は覚悟するレベルだと。勇者の能力マジチート。
まぁ、余談だったけど兎に角ポニーに乗っての移動で格段に早くなった。森と違ってこのダンジョンの中はよくRPGなんかに出てくる石造りの迷路。まだ低層だからかやたら広いだけで罠もない。なのでアップダウンもほとんどなく魔獣は俺の結界とポニーの爆走でひき逃げ状態だ。
かわいくないコボルトの次はボア系、オーク系と続いてここではそこそこ上位種が出た時だけ肉を確保した。キリがないからな。ピアが物欲しそうにしてたけど無視。
5階層の最奥所謂ボス部屋。オークキングをこれまたピアがサクッと倒したら煙がほわぁ~んと出て初めて50cm四方くらいの宝箱が出た。うぉっ、ファンタジー来たっ!テンション上がるねっ!
ゲームでよくある罠がないか調べる。う~ん?モヤがかかったみたいでよくわからん。なんで?
ピアによると宝箱は一か八からしい。罠だったらいきなり攻撃されたり、毒に犯されたりと生死に関わる程の被害を請おむる。で、当たりだったら貴重なアイテムを手に入れれる。そんな感じだから余計に魔導具とかが世の中に出回ってない。
うぇ~、中身気になるけど被害に合うのは嫌だ。結界張ってるから大丈夫かな?とうだうだしてたら、ソックスが起き出してきた。ポニーに乗っていてもカゴ鞄で寝れるソックスは素直にすごいと思います。
『オレが視て視るっスよ』
そう言って俺の肩に乗りながら、宝箱を凝視。ピアに説明してる間に宝箱からパキッと音がした。
『罠があったっスけど、解除しといたっス』
「えっ、すげぇなソックス」
『オレは闇魔法が得意なんスよ。罠があるかどうかは無属性っスけど罠の解除なんかは闇魔法っスね』
「あれ?俺も闇魔法使えるよな?」
『ケンは勇者スからね。どちらかと言えば光魔法の方が強いスから、もっと強引に魔法をかけてたら宝箱が弾けてたっスね』
お~、危なかったのか。折角なら中身見たいもんな。
ピアに通訳しながら宝箱をオープンっ。
ジャンジャ~ン
「??」
宝箱の中に小さいビロードで出来た指輪なんかを入れてそうなケースが2つ。
50cmぐらいの大きさだから剣とかじゃないとは思ってたけど宝石なんてガッカリだ。
「おっ、なんかバフのかかったアクセサリーかな?そうじゃなくても物によっちゃぁ売れるんじゃねぇか?」
ピアが俺の背後から覗き込む様にみてきた。体格差。
『魔力を感じるっス』と言うソックスの言葉に少しだけ期待を戻してピアと一つずつ手に取り開けてみた。
「「………」」
中には俺には小指の爪ほどの鈴。ピアには掌サイズの鈴が入っていた。
無意識に鑑定…。
ピアの顔をチラリと見た後、待てをしてポニーだけに聞こえる様に小声で問いかけた。それからソックスにも同じ様な問いかけ。
『ピアと直接話したいかどうか?』
鈴の鑑定はこうだった。
【おしゃべりな鈴(ケン翻訳) 魔力を込めながら対象の魔獣など言葉が通じないものにつけると話しが出来るようになる。使い方は鈴に魔力を流しながら対象の体に着けるだけ、簡単でしょ?但し一つにつき一体のみ】
…これはピアの為の魔導具みたいだな。俺は【全言語翻訳】があるからな。でも使うかどうかは使われる方に決めさせたい。
『話したいと思ったら言ってくれ。そしたらピアに鈴の説明するから』
ピアには二人が使える魔導具ということだけ伝えて俺が預かる事にした。ポニーはすぐにでも着けたがるかと思ったけど考えてる風だった。ソックスはピアの事をまだ警戒してるから様子見だろうな。
ピアは少し不思議そうにはしてたけど気にせず、広いボス部屋を隅々まで確認して奥の方に転移魔導具と下へ降りる階段があるのを見つけた。
「ここまでポニーで3日。ということはただ歩いてるだけでも徒歩なら15日。戦いながらだと何倍だ?スタンピード一歩手前だから数も半端ないし」
「どんくれぇだろうな。わかるのはただの人型じゃここまで来れなかったって事ぐれぇか?ダンジョンだけに大軍は無理だし、時間停止のマジックバッグでもなけりゃ十分な飯も食えねぇ。ケンの絶対防御の結界もねぇんじゃあ被害もえれぇ事になってるはずだ」
やぁもう本当、瘴気溜まりの実態を知れば知るほどヤバさがわかる。召喚された強制力のない俺任せってお気楽過ぎやしませんかね。
ピアもちょっと難しい顔しながらも「行こうぜ」と階段を降りようとする。
「えっ、でも転移魔導具はいいのか?」
たいていゲームとかだと自分たちを登録したりするはず。そしたら次からはその登録した階に跳べたりするんだよな。そう思い手を伸ばしたらピアに力強く引かれた。
「それに触るんじゃねぇ!」
「ひぃっ」
すごい迫力の怒鳴り声にみっともない悲鳴じみた声が漏れた。
考えてみて欲しい。2m越えの筋骨隆々の美丈夫だけど外国人顔の強面、赤毛のイガグリ頭(ちょっと伸びた)に力強く腕を掴まれ間近で怒鳴られた恐怖。
俺のビビり様にピアも狼狽えて手を離してくれた。
「わ、わりぃ。その魔導具に触っちまったら地上に出ちまうんだ」
「へ?」
「え?」
いやいや、これまでも異世界あるあるがあったんだから、ダンジョンあるあるもあるはず。
小首を傾けた可愛くないピアの反応にこの世界特有?の根本を考えないあれだろうと思い転移魔導具を鑑定する。
うん、予想通り。
「あ~~ピア、残念なお知らせ…いや、残念じゃないか?朗報??まぁいいか。あのな、この転移魔導具には地上に戻る他にも便利機能があるみたいだ」
「便利機能?」
「ああ、ただ触っただけなら地上に戻るだけなんだけど、魔力を流しながら触るとその魔力がこれに登録されて次からは念じるとその登録された階に転移できるらしい」
「??」
「つまり一旦地上に出ても、登録しとけばこの階から始めれるって事」
俺のこの言葉と同時にピアは崩れ落ちた。所謂orz体形だ。
やっぱりか。俺はかけてやる言葉が見付からずそっと肩を叩くだけにした。
暫くして小刻みに震えていたかと思うと今度は「うおおおーーー」と叫び出した。
閲覧ありがとうございました。




