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七宝怪異話集  作者: 七宝


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9/10

 前の職場に「愛が全てだ」が口癖の上司がいた。俺にサービス残業させるのも、罵詈雑言を浴びせるのも、怪我させたのも、全部愛によるものなんだとさ。


 ある日そいつがアルバイトの女子高生のストーカーをしてたことが明らかになった。俺は驚いたが、周りのベテラン達は驚いていなかった。


「ここでもやったのね」

「やっぱりね。やると思った」


 聞いたところによると、上司はトラブルによる転勤を10回以上も経験しており、その全てが女性関係によるものなのだという。セクハラもあればストーカーもある。いつもこれは愛によるものだ、という言い訳をしていたらしい。最低最悪の人間だった。


 今回バレて本部に連れていかれる時も案の定「愛だ!」と叫んでいた。こんなやつもうクビにしろよな、まったく。


 しかし、あのクソ上司とおさらば出来るのは嬉しい。あと何日ここにいるのかは分からないが、あと数日間徹底的にいじめてやろう。今までの仕返しだ!


「おはよう」


 翌朝何事もなかったかのように出社してくる上司。誰も挨拶を返そうとしない。当然俺もだ。


「愛のない奴らめ⋯⋯」


 上司はボソッとそんなような事を言った。


 特に示し合わせたわけではなかったが、皆こいつをいじめるつもりのようだ。俺はとても嬉しかった。


「ああっ!」


 上司が自分の椅子に座ろうとしたところ、その床が抜け、3階下の2階まで落ちていった。落とし穴があったのだ。部署内全員大爆笑。いい気味だ。


「ちょっと皆集まってくれ」


 上司が戻ってくるまでの間に作戦会議をすることになった。やはり皆彼をいじめたいらしい。


「いやぁ参った参った、老朽化かなぁ?」


 肘と膝があらぬ方向に曲がっており、頭から血を流している上司。


「⋯⋯⋯⋯!」


 なぜそんな状態で動けるのか、と彼に聞くことが出来ない一同。妖怪か?


「よっこいしょういち⋯⋯うっ! うわあああああ!」


 掛け声とともに椅子に腰を下ろす上司。椅子には毒針が大量に仕込んであるのだ。さすがの上司も悲鳴をあげながら椅子から離れる。そして、先程の穴に落ちてゆく。


「いやぁ、酷い目にあったぁ」


 肘も膝も首もおかしな方向に曲がっている上司。それでも自分の席に戻ってくるのだ。


 その日は結局丸1日彼を無視しながら仕事をした。その間も上司は「愛がない」と呟いていた。


「帰る」


 面白くなくなった上司は、定時で帰ると言い出した。いいことだ。俺達もついて行くぞ。


 帰路に着く上司の後ろを10人体制でストーカーする我々。


「なんのつもりだ!」


「僕達なりの愛ですよ」


「ぐぬぬ⋯⋯! ならばこちらにも手がある!」


 上司はソープランドに入っていった。俺達もウッキウキで入っていった。上司と同じ部屋に10人。上司と女の子を入れて12人だ。12人でお風呂に入り、12人でいろいろなことをした。


「55万円です」


「へ!?」


 俺達全員の分を上司に請求する店員。悪いな上司よ、これも愛なんだ。


 当然俺達は上司の家に全員で上がり込む。俺達は愛を示すために、それぞれ手料理を作った。全員もれなく料理が下手なので、全部うんこみたいになった。だが、問題は味だ。見た目はうんこでも味はカレーかもしれない。


「いただきます⋯⋯」


 10人分の料理を残さず食べる上司。愛があるというのは本当なのかもしれない。そう気づいた時には遅かった。


 全員が料理に毒を入れていたせいで、上司は死んでしまったのだ。どんどん冷たくなっていく上司の体。雪見だいふくほどの温度になった頃、地獄の門が開いた。


『これよりこの者に罰を与える。見届けたい者はいるか』


 当然俺達はついて行く! ストーカーだからな!


挿絵(By みてみん)

 血の池に浸かる上司。作者の元上司にそっくりなので、これ見られたらバレるかも。

怪異データ

[地獄の鬼]

超こわい。

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