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七宝怪異話集  作者: 七宝


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6/10

お風呂

 今日もお仕事お疲れ様でした、私! ふーっ、家に着いたらお風呂お風呂! さてさて、帰りにコンビニで買った晩酌セットを用意して、服脱いで、ざぶーん! 先にシャワーしないのかって? うるさいね、こっちは疲れてんの!


 お腹が減ったのでまずは腹ごしらえ。呑む時は炭水化物が最後っていう人が多いけど、私は順番関係なしで食べるよ。なんなら途中にデザート挟むし、最初からアイス食べることもあるよ。


 お風呂は暖かくて気持ちいい。疲れてるのもあってなんだか眠たくなってくる。この状態で一生過ごしたい。さて、サンドイッチ食べるか。お風呂でサンドイッチを食べるとけっこうな見た目になる。手が濡れてるのと、湿気があるのとでべったんべったんになる。


 ぱくり


「うーん、おいち〜」


 仕事終わりのいちごマヨサンドは別格だ。そしてここにウイスキーをストレートで注ぎ込む。


「くぅーーーーーーーっ!!」


 いや〜、効くねぇ〜。疲れと火照りですぐに酔っちゃうね!


「さてさて、次はーっ」


「ででーん! これ!」


 アイスクリーム! これを少しとかしながら、ウイスキーを垂らして食べるのがおいしいの! ⋯⋯あぁ、とけてる。


「ゴクゴク、おいちー!」


 はーっ! 会社の奴らもまさか私が家ではこんなんだとは想像もつかないだろうなぁ。会社ではお嬢様みたいに振る舞ってっから。


 さて次はたこ焼き食べるか。あ、これ冷凍だな⋯⋯よし、湯船の底に沈めておこう。最後の方には解凍されてるでしょ。裸で電子レンジ行って4分40秒待ってってやってたら風邪ひいちゃうもんね。


 たこ焼きが後に回ったのでお刺身食べまーす! 全部つぶ貝でぇーす! お醤油つけて、ぱくり! そこにウイスキードーン! ポタ⋯⋯ポタ⋯⋯終わっちゃった。


「仕方ない、台所行くか⋯⋯」


 私は風呂をあがり、体を軽く拭いて台所へ向かった。

 さすがに42度のウイスキー1本飲むときついなぁ。呼吸が全部「フーっ!」ってなる。次のは甘くてあまり強くないのにしよう。よし、これがいい。塩も持っていこう!


 さぁさぁよってらっしゃい見てらっしゃい! あたしの宴会第二幕! お供はこちら、ばばーん!


「みりん!」


 さて次は、コンビニで買ったマダコ! 丸々1匹! 最近のコンビニってすごいね!


『追い炊きします』


 お風呂の温度上げて、熱いのが出てくるとこの近くでタコを茹でる! 塩もばーーーっ!


 タコを茹でてるこの匂いで1杯。かーっ! たまらんねぇ、みりん! 黄金糖のような甘さと日本酒のような味わい! そりゃそうさ、このまま煮詰めるとべっこう飴なんだもの!


 さっきから時間かかるやつばっか作ってるなぁ。あ、たこ焼きそろそろいいかな。よし、あったまってる! ソースかけて、マヨネーズかけて、かつお節かけて、完成!


「おいちーっ!」


 ていうか、お店の人も温めますか? くらい聞いてくれても良くなーい? そ、それじゃあ⋯⋯私を温めてくれますか⋯⋯?


「なーんつってね! ピャーッ!」


 はいはい、ひとり暮らしの寂しい女ですよあたしゃ。誰も温めてなんかくれませんよーだ! って、え? 温めてくれるんですか!? うぎゃぁぁぁぁああああ! 電子レンジに入れるんじゃねぇええ!


 さて次はーっ! ででん! 牛タン! 私のお風呂のフタはホットプレートになっているのだ、えっへん!


 ジュ〜〜


 肉の焼けるいい匂いがする。タコも食べ頃だろう。少し切って焼いてみようかな。あ、刃物無いや。足の先を焼いて齧ろう。


「ぱっくんちょ! うまーっ!」


 牛タンとタコとみりんで幸福度マックス。このままいると寝てしまいそうなのでそろそろ上がろう。のぼせるのぼせる。ちょっと洗面所で顔冷やそう。


 ふと鏡を見ると、そこには髪の毛が1本も生えていない髭の生えた強面の男が立っていた。その男の頭は磨きに磨かれていて、まるで鏡のようだった。私が下を向くと頭皮は鏡の中の自分の頭皮と向かい合わせになり、無限に続く合わせ頭皮になってしまう。


「鏡ぶっ壊しとけばよかった」


 自分のことを女だと思い込んでいたのだ。鏡や写真を見る瞬間ほど気分が下がるものはない。


 しかし明日はやってくる。明日までにこんなおっさんのことなど忘れて、会社ではちゃんとお嬢様になれるようにしなければ。そう誓い布団に入る私であった。

怪異データ

[鏡面頭皮]

鏡の無いところを好む。鏡を忘れた時に呼ぶと駆けつけてくれるが、その頭で見ると鼻がとても大きく映るという。

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