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七宝怪異話集  作者: 七宝


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4/10

ラーメン屋バイト

 バイトの面接に六回落ちて、やっと受かったラーメン屋。オープニングスタッフだったのでみんな同期だ。店長も初めて開くお店ということで気合いが入っていて、俺たちに手際よく教育を施してくれた。店長の奥さんが優しい人で、いつも差し入れでお菓子やジュースをくれた。


 オープンの三日前にメニュー表を見せてもらった。メインの醤油ラーメンが一杯二百円。他のメニューもだいたいその周辺だ。とんでもなく恐ろしい値段だ。まかないで毎日食べているが、なかなか美味しいと思う。それでこの値段は行列が絶えない店になるだろう。というか大赤字で潰れるだろう。


 オープンの二日前、店長がとんでもないことを言い出した。なんと、オープン記念に全品半額セールをするというのだ。醤油ラーメンが百円になる。元々おかしいほどの安さなのに、さらにその半額だ。奥さんは俺たちを気遣ったのか、店長の案に反対していた。こんな値段でやったらみんな忙しくて死んじゃう、と。


 オープンの前日は店長の友人や知り合いが数人食べに来た。調理は全て店長がするので俺が作ったわけではないが、ラーメンを食べて喜んでいる客を見ると嬉しくなる。その人たちが帰ったあと、奥さんと店長がなにやら言い合いを始めた。半額セールについての議論をしているようだ。険悪な雰囲気だったが、終業時間だったので店長と奥さんを残して皆帰った。


 そしてオープン当日。目が回るような忙しさだ。百円で食べられるのだから、美味しくても美味しくなくても客は来る。店長の奥さんも手伝ってくれるのかと思っていたが、今日は来ていないようだ。


 オープン前までいろいろ練習していたが、俺は行列の整理をしている。席が空いたら案内したり、行列が他の店や道に迷惑をかけていないかチェックする。


 行列の中に異様なモノがいた。とてつもなく顔の大きい男。身長は百七十センチ程だろうか、そして、その身長の約半分が顔だ。その顔の大きさなら五メートルの巨人であれよ。


「ばっひょい!!」


 巨顔人がくしゃみをした。口も抑えずに。といっても口がでかすぎて手では抑えきれないだろう。巨顔人はなぜか前の人との間にスペースを取っていたのでくしゃみは誰にもかからなかったようだ。くしゃみしそうな気がしてたのかな?


 席が空いた。ついに巨顔人の番だ。良かった、角のテーブル席だ。カウンターにこんなのがいたらみんな食べにくいだろうからな。やっぱり超特製ジャンボウルトラゴージャスまぜそばを頼むんだろうか。いや、でも体は子供サイズだからなぁ。顔は中身も全部顔だろうし、大食いではなさそうかな。


「醤油ラーメンくだちゃい」


 醤油ラーメンを頼んだようだ。俺の隣にいたバイトは「普通すぎワロタ」と言っていた。リアルでそういう言葉遣いするのはちょっと気持ち悪いかも⋯⋯


「すみませんでした⋯⋯」


 巨顔人がなにかブツブツ独り言を言っている。直ぐに食べ終わると、百円払って出ていった。レジで「安すぎワロタ」と独り言を言っていた。こいつもかよ。

怪異データ

[ワロタぼうず]

インターネットから生み出された怪異。今回は二体出没した。

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