指
いつの間にか背中に指が生えていた。今服を着替えようとしたら背中で何かが引っかかり、鏡で見て見たら指が生えていたのだ。手の人差し指か中指か薬指だと思われる。ちなみにこの指は神経も繋がっているようで、動かすことも出来る。
もちろん医者に行くことにした。昨日まで無かったのに今日起きたら生えていたのだ、当然医者に見せる。見せたところ、2日欲しいと言われた。その時間でなにやら調べるようだ。そして2日が経ち、私はまたこの病院を訪れた。
「指ですね」
そこからか。そこから分からなかったのか。
「そして、前例がありません」
そうだろうな。生まれつきとかならあるかもしれないけど、いきなりだからなぁ。
「どうします?」
どういう意味だろうか。
「なにがですか?」
「いえ、特に害があるわけでも無さそうなので、切り離したりしなくても問題ないと思いまして」
あ、確かに。びっくりはしたけど、別に問題は無いか⋯⋯いや、人前で服脱げないぞ。泳げないし着替えられないし、薄い服着ると目立つじゃん。デメリットばっかじゃん!
背中痒っ。んー、届かない。ギリギリ届かない⋯⋯こういうの辛いんだよなぁ。あ、背中に指生えてんじゃん! んー、届かない。この指半兄3cmくらいしか掻けねぇわ。
「掻きましょうか?」
「触んな!」
あーイライラする。とりあえず帰ってから考えるか。私は金を払わず帰宅した。
あー! 疲れたーっ! ベッドにドーン! ボキッグサッ!
あぎゃー! 背中の指折れたー! そして何か尻に刺さったー!
痛みを我慢して尻を上げてみると、ベッドから指が生えていた。マジかよ、誰の指だよ。あれれ、よく見たら机にも電気にも窓にも漫画にも指生えてるよ。こんなん病院でなんとかなるやつじゃないな。
『すごい⋯⋯こ⋯⋯おる⋯⋯』
今度は幻聴? 凄い子おるって、私の事? 背中から指生えてるから凄い子ってこと? なんなんだよもう。
『サンタ⋯⋯すごい⋯⋯こおる』
サンタ? え? サンタさん? いきなりサンタさんの話?
『はち! そうだ、3+5=8だ!』
「え! そりゃそうだろ!」
『私の声が聞こえるの?』
幻聴かと思ってたけど、違うみたいだ。私に話しかけて来ているので、一応答えてみよう。
「はい、聞こえてますよ」
『ごめんね、勉強するときは声が出ちゃうの』
あ、勉強してたのか。ていうか私は今誰と話してるの?
『じゃあ勉強の続きするので邪魔しないで下さいね』
なんだこいつ。
『そういえば、あなたも受験生だよね。私もだよ。行きたい大学があって、そのために勉強してるの』
3+5とかやってたの大学の勉強だったのか。行きたい大学ってどこなんだろう。
『えっと、30+11は⋯⋯しまった、指が足りない』
なんだこいつ、高校生にもなって指使って足し算してるのか。
『ええい!』にょきっ
にょきっ? あああああ! 私の鼻から指が生えてる!明日からあだ名がキモピオ(キモいピノキオ)になっちゃうよー!
マジでなんなんだこいつ。
『聞こえてますよ、心の声私は幽霊です。受験前日に死にました。勉強が忙しいのでもう切りますね』ブチッ
切られた。電話かよ。
次の日、私は接骨院に行った。
怪異データ
[受験生幽霊]
なんでもアリ。




