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魔法技能とイティラ

魔力量120000超えの衝撃は一瞬に広がっていった。


「おいおいまじかよ、見ろよ」

「イティラ……武力だけでなくて魔法面でもこの学院一位に立つのか」

「いや、でもまだ魔法技能が低いという可能性も……」

元々集まっていた視線は更に集まり、この場にいる全員が僕を見ていた。


「いやー、多いとは思っていましたがまさかこれ程とは……」


「……負けた」


「あはは、勝ったけど……視線が痛い」

何十にも重なった視線は鋭い矢となって僕に突き刺さる。その中には僕を確かめ舐め回すような視線も混ざっていて背筋が凍る。


「これが魔力を中に入れる系の水晶だったらあまりの量に耐えきれなくて爆発していたな」

学院長は人垣からぬるっと現れるとそう言った。


「爆発したらまた大惨事ですね」

もしかしたら校舎が破壊し尽くされて今度こそ直らなくなってしまうかもしれない。


「そうなったら泣くぞ。──さて次は魔法技能だ。あと少しでイティラたちの順番だから待っていろ」


学院長が言うように順番はすぐに回ってきた。どうやらいい結果だったようでアレンが絶望したような顔をして測定する場所から離れていく。まあ、アレンは魔法系の才能が武の方に取られていて乏しいからあまりよくない結果なのは分かっていたことだろう。


「よし、負けません。お願いします」

魔法技能を測るのは水晶などではなく人だ。ロニエはその人に挨拶をして定位置についた。


「魔法の種類は自由。魔法の行使も自由でありのままを見せてくれればいいが、攻撃魔法であればあの的を狙ってくれ」


「はい。わかりました。それでは『放電』」

青白い光が的心を目掛けて伸びていき、当たると的は燃え尽きた。前にもくらった事があるが前よりも力が一点に集中しているような気がする。


「ほう、これは……」

測定のおじさんが少し生やした髭を撫でながら魔法による計測結果を興味深く眺めている。


「魔法技能は今まで測った中で一番高いな。しかもこれは……。アストロさんの親御さんは研究者かな」


「はい。けど、どうしてそう分かったのですか?」


「アストロさんの魔法を行使する力は美しい。理論に基づいて鍛えられている、そんな美しさであった」


「へええ、そうなんですか。自分では分かりませんでした。ありがとうございました」

力が美しい、そう呟いて興味深そうに頷いていた。元々そっちの分野が好きであるからであろう。


「次、シルミィさん」

キョウカの番である。


「……お願いします」

キョウカは直ぐに定位置に着き、お得意の『飛翔斬』を繰り出した。


空中で不可視の斬撃が無数に分かれて、的の前方を囲い込む。『飛翔斬』整合神との戦いを見て着想を得たキョウカだけの包囲攻撃魔法となった。


「この魔法技能は…………」

おじさんはキョウカの結果を見て固まってしまった。


「あの、すみません。結果は」

僕がおじさんの身体に触れるとピクンと放心状態から回復した。


「ああ、ええっと。結果だな……シルミィさんの魔法技能は非常に高い。魔法技能の計測はまだ歴史が浅いが、これから先、この記録が超えられることはなさそうだ」

魔法技能は単純な数値では表せないから詳しくは分からないけれど凄いのだろう。さっきのキョウカの『飛翔斬』のアレンジも彼女の魔法技能の高さが成せる技なのかもしれない。


「異常な魔力量とこれほどの魔法技能の高さがあるならば非常に優秀な、いや史上最高の魔導師になれるはずだ」


「凄いじゃん、キョウカ」


「……ありがとう。けど、魔剣士が良い」


「無理強いはしないが、興味が出たら勇者に聞いてみるといい」

知り合いの魔導師の一人や二人いるだろう、と仲の良さそうな様子でそう言った。


「まあ、いるにいるが……あいつはなぁ……」

何とも言いづらそうにする学院長。


「まあいいか。若者の将来は若者が決めるべきだ。さて、トロム君。待たせたね」


「いいえ、大丈夫です」


「君の噂はよく聞いているよ。魔王を撃退しただの、魔王の手下に同級生がやられてしまった時に超回復を使いまくって死傷者をゼロにしたりなんて噂を。本当なのかい?」


「はい、そうですね」


「そうか、そうか。超回復を使えるのか……。君、私と同じ道を歩まないか?」

おじさんは興奮したように前のめりになってそう言った。


「同じ道ですか?」


「ああ。医者にならないか?」


「うーん……僕も魔剣士になりたいので」


「しかし、超回復を使える者は数が少ないんだ。それを何度も使えれば、もっと多くの人が救われる。君も使っているのなら分かるだろう、それは万物に効く」

何故か僕の時だけ押しが強い。


「私の師も超回復を一日に一度だが使えた。師は多くの人を救ったのだが……」


「この前、無理のしすぎで亡くなってしまった。師を待つ患者も未だに多い、神に祈り更に容態を悪化させてしまった者もいる」


「どうか私と一緒にそんな彼らを救ってくれないか?」


(多くの命を救える……か)

危険に陥っている人々の原因は何も人だけではない。病気も多くの人の命を奪う。怪我によって生きる意味を失ってしまうこともある。


「分かりました。お引き受けしましょう」

イティラ、魔剣士転職宣言!?

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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