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ラデックスディカス

「あなた、どうしてここに」


「お前を助けに来たぜ」


「くっ、はは。なにそのキメ顔」

柄にもなく変なことをしたせいで笑われてしまったが、


「初めて笑ってくれたな。ルアンは笑っている方が素敵だ」


「こ、こんな状況でなにを言っているのよ……」


「そうだな。今は目の前のこいつをどうにかしなければ」


そいつは律儀にも俺たちが話し終わるのを待ってくれていた。

「お前の名は」


「我が名はラデックス。──整合神ラデックスディカスだ。リオルト・イグナ、只人にして神の力を持つ異色者。我は整合神として貴様の存在を許容出来ぬ」


──故にここに沈め。


「俺のことをしっかりご存知なようで。沈められるものなら沈めてみせろ」


「【刑戮】」


(さっきの攻撃か。なら余裕だ)

俺は剣を構え直して、『穿』の準備をしたが──


無数の斬撃は俺のところに飛来してこなかった。その代わりのようにラデックスが分裂して四人になった。


分裂は止まらず四人から八人、八人から十六人と増えていき、分裂が終わる頃には百体を超えた。


「刑戮の内容は受刑者の弱点で変わる。残念であったな」

そう言うとラデックス達が俺を取り囲んで一斉に斬りかかってきた。が、


「龍王ノ牙──乱」

一見、自棄になったようにも見えるその剣技は正確無比にラデックスを斬り裂いていく。対するラデックスはリオルトに対して傷一つつけることすらも叶わない。


「ふっ、俺に弱点なんかないんじゃないか」

気持ち悪いほどに増えたラデックス集団は今や半壊。速く戦意を折ってしまった方が楽であるが、神相手に出来るかどうか。


「いいやある。貴様は只人なのだから」

壁のようになっていたラデックスが道を開けると別のラデックスがルアンの手足や首元を掴んで俺に寄ってきた。


「人質を取られてはもうなにも出来ぬ」


俺が接近、攻撃の態勢を小さく整えると

「無駄だ。少しでも動けば俺たちが俺を守る盾となり、俺らがルアンの首を切り落とす」

監視の目が多く俺の一挙手一投足を見逃さない。


俺が動きを止めていると数人のラデックスが攻撃しようと此方に寄ってくる。


(ちっ、厄介な。どうにかしてルアンを助け出し、ラデックスを倒したいが……)

その為の道筋が全く浮かんでこない。やつらに隙間はなく、一つの意識で動かしているように完璧に統率が取れている。


(負けるのか……?)

─────────────────────────────────────


「くっ」

老人が敵だと思わず油断していた。首に赤い線が引かれた。


「何者だ」


「我は整合神ラデックスディカス。異端者イティラ・トロムを排除に来た」


(整合神!?神と言ったのかこの老人は。しかも、異端者って何だ)


「信じていないな。しかし、事実だ」


「そんなことを信じられるわけ……」

「信じなくてもよい。異端者はここで命を落とす」

そう言うと剣を振りかざして接近してきた。


「そう言われて素直に倒されるわけにはいかない。ニの塵──身躱し連斬……!?」

剣と剣が触れる瞬間にラデックスがいなくなり、気配もなくなった。


「どこに?」

「イティラ君、後ろです」


「え?ぐっ……」

僕の身体に剣が斬り込まれ、筋肉を断たれた。僕の身体から血が流れ出る。


「イティラ君!?キョウカちゃん、あの人の相手をお願い」

ロニエが雷轟で移動して、僕を回収する。


「イティラ君、大丈夫ですか!」


「自分で回復しておくからロニエはキョウカの所へ」

僕の言葉を聞くや否やロニエは飛び出していった。


(今のは何だったんだ?ラデックスは気配ごと急に消えたが、あれは人間業でなかった。本当に神なのか…)


「それにしても治りが遅い。何故だ」

いつもなら十秒もせずに完治するはずの傷が一分が経っているのに完全に治らない。


「血はほとんど止まった、傷が開いたら最悪だけど行くしかない。一の閃──雷轟」

二人は互いの視線すら合わせずに意思を疎通させて善戦していた。


「五の塵──豪剣連斬」

僕は背後から近付き剣技を繰り出すと、ラデックスはそれを見越していたように薙ぎ払い動きを止めてきた。


「流石は異端者。その傷を治癒したのか」


しかし、と言って

「我の権能からは逃れられまい。【刑戮】」

思い起こされるのはキョウカの『飛翔斬』。それが一瞬にして僕の周りを取り囲み、退路をが消えた。


「五の塵──豪剣連斬」

僕は空中に浮かぶ斬撃に向かって剣技をした。


しかし、それは『飛翔斬』とは比べものにならないほど硬く鋭かった。剣技によって開けれた空間はなく、少し触れてしまっただけなのに肌に深い傷が出来ていた。


「無駄だ。我の権能は異端者を抹っする事に同意した。異端者には破壊出来ぬ」


(畜生、やられた。これが飛んできたら避けれることなく死ぬ。魂の転移の使用出来る回数も少ない。だから死ぬわけにはいかないが………)


「追加で教える。異端者は魂の転移で復活することも出来ぬ」


「!?」

何故、魂の転移が知られている!?それに何故復活が出来ない!?


「我の権能によって異端者は肉片残さず斬り崩される。肉体の回復は不可能となり、入る器をなくす」


(魂の転移にそんな弱点があったなんて……。本当にまずい)

ロニエ達が外から攻撃するが外からも出来ない、中からなんて尚更だ。


(万事休す……か。あまり実感がないけれどこれが僕の最後なのか……。本当ならば一年前のあの日、山の中で終わった人生なんだ。潔く散ろう)

僕は剣を鞘に戻し目を閉じて、死を受け入れた。


その時、バゴーーーンという鈍い音が僕の周りからした。


「勇者!?」

斬撃のかけらが落ちきると時ラデックスが驚いたような声が上げた。

勇者……学院長?

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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