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事後と弟子

「やはり、か」

俺はいつもの荒野に来てみると青髪の女性は何もせずただ空を眺めて立ち尽くしていた。


あの女性は何度斬ってもここにいる。ここに来れることや、何故十回以上斬られてなおここにいるのか、あの物憂げな瞳にはこの世界がどう映っているのか知りたかった。

他には名前や生い立ち、食べ物の好みなど、どうだっていいことだって聞きたい。


──会う度に俺は彼女について知りたい気持ちが溢れてしまっていた。


この気持ちになんと名をつければいいのか、俺は知らない。やつらは敵で、彼女もまたその一味なのだ。


敵対して、倒しこの混沌に陥った世界を救うのが俺の使命だ。

しかし、俺の中には彼女を帰し、もう会えなくなってしまうのは嫌だという気持ちが俺の中で渦巻いている。


どうすればいいのか、分からない。自分がどうしたいのかも分からない。

だから今は目の前の彼女とのひと時を楽しもうと思う。


「久しぶりだな」

─────────────────────────────────────


「──ラ君、イティラ君」


僕は何をしていたのだろうか。学校祭に来て、アルスの試合に止めて、乱入されて、また負けて……。

また負けた……誰にだったか。確かそれは──


「イルビィは!?痛っ」

俺は飛び起きると目の前にいたロニエと額を強打した。けど今はそんなこと関係ない、イルビィを……。


「痛てて。急に起き上がらないでくださいよ、びっくりしました」

涙目になって、というか泣きながら額を摩っている。


「ごめん。そんなに痛かった?」


「痛かったです。それより、心配したんですからね」


キョウカ、アルス、それにガウラスまでもが僕を見下ろしていた。


「イルビィは……?」


「やっぱり記憶がありませんか。またイティラ君が倒したんですよ」


「そうなの?」


「ええ。 (多分、魂の一致) (の暴走です)

ロニエは周りに聞こえないように耳を寄せてそう言った。


「暴走……か」

当然ながら僕は限られた人間じゃなかったようだ。分かってはいたが少し残念だと思ってしまったのは何か変われた証拠なのだろうか。


「イティラさん」

ガウラスがロニエが僕から離れた瞬間に近付いてきた。


「本当にありがとうございました。イティラさんがいなければ僕は死んでいました」

ガウラスはとても真剣な顔でそう言って深々と頭を下げた。


真剣な顔になるのも当然だ、自分の命が失われていたかもしれないから。しかし恐らくだが、本当に危険な時になったら学校側が間に入っていたと思う。いくら強者が勝ち、弱者は淘汰される、という事を掲げていても死者が出たとの噂は学校にとって負の影響しか与えないのだから。


「頭を上げて。何も後遺症が残らなくて良かったよ」

今まで完璧な治癒力を見せてくれている『超回復』だが、今回のは酷かった。どういう仕組みで治っているのか分からないが変なくっつき方をしたら大変なことになる。


「それでお話なんですがイティラさん……。弟子にしてください」


「で、弟子……。何をするのかよく分からないんだけど」

ガウラスの本気の目。僕に何を求めているのだろうか。


「僕も分かりません。が、指導して頂きたいです」


「指導か……。学院が元に戻ったら勇者学院に戻っちゃうしな」

ここと学院は遠い。ただの休みで稽古をしようにも移動時間でほとんど使ってしまう。


「僕、絶対に勇者学院に行きます。その時にお願いします」


「それならいいのかな?別に弟子じゃなくてもいい気がするけど」


「弟子がいいんです」

謎の熱で押し切られて、ガウラスの弟子入りが決まった。


ガウラスと入れ替えでアルス。


「にいちゃん、ありがとう。僕、偶に失敗してああなっちゃうんだ」

アルスの強化魔法は強化幅が恐ろしく大きい代わりに使用難度が最高クラスで、失敗すると自我がなくなってしまうらしい。


「そっか。この学校で使いこなせるようにしようね。あれは使いこなせれば強い」


「うん。僕、頑張る」

いい笑顔が咲いた。この子はこの先どんどんと成長していくだろう。いつか強くなったアルスと戦えたらなと思う。


アルスの暴走とイルビィ襲来は試合のためだけに造られた会場の崩壊だけで済み、死傷者ゼロで終わった。

死傷者ゼロは『超回復』のおかげ。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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