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試験と勇者


推薦試験の今日、僕は『勇者学院』に来ていた。


「凄い……」


魔剣士学校は歴史ある学校だ。それ故に古めかしい。

一方、勇者学院は創立から五年のとても新しい学院であるため設備や内装が非常に現代的だ。


その違いに圧倒されながら校内を入っていくと屈強であったり凛とした人たちが沢山いた。


皆、受付をして中に入っていることから受験者なんだろうけど、自分との違いが大きすぎた。


「やっぱり僕なんか」

不安になってしまった。


受付を済ませると一般の人達とは違う道に案内された。


「ここが推薦試験の会場です。

ここでは面接と実技技能を見せてもらいます」


「順番になったらお呼びしますのでお待ちください」

─────────────────────────────────────


時間が経つと二人の生徒が来た。


「こんにちは」


「君も推薦の受験生か。よろしく」


赤い髪の美少女と赤い髪のイケメンが親しみやすく話しかけてきた。


「よろしくお願いします」


「推薦試験で落ちることなんてそうはないから俺たちはクラスメイトになるのか」

赤髪のイケメンがそういうと、


「そうですね、学院生活が楽しみです」

美少女がそう言った。


「えっと、二人は兄妹ですか」

二人共赤髪で随分と仲が良いからそう聞くと


「いいや、さっき学院前で知り合ったばかりだ」


コミュ強というやつだった。


「そうなんですか」


「はい、そうです。自己紹介がまだでしたね。私はロニエ・アストロです」


ロニエは健康的に焼けた薄小麦色の肌。整った顔に赤いストレート髪と同じ赤い瞳。そして見る者全ての目を引くような比率の調った起伏があるスタイルであった。どれもが完璧である特徴だが、更にその素晴らしい特徴の全てが互いに引き立たせていて、まるで天上の者かと思わせるほどである。


「俺はアレン・ジェネウス」


アレンは燃えるような赤色の髪とそれに対照的な冷静さを感じさせる青い瞳。上背があって服の上からも感じさせるよく鍛え上げられた引き締まった筋肉。こちらもとにかく顔が整えられていて凛々しい。男である僕も惚れるような格好良さであった。


「僕はイティラ・トロム、改めてよろしくです」


──自己紹介が済み、楽しく会話をしていると


「イティラ・トロムさん、ご入室ください」

部屋の中から声が響いた。


「はい、それじゃあまた」


「頑張れよ」


「頑張ってください」


二人の応援を聞き、僕は入室をした。

─────────────────────────────────────


「失礼します」


「どうぞ掛けてください」


面接官は一人の男性と女性が二人だった。


その内の一人が、

「勇者様……」

憧れの人を目の前に固まってしまった。


そうしていると

「勇者様なんて堅い呼び方はやめてくれよ。学院長と呼んでほしいなあ」


勇者さ……学院長は全く堅い態度をとらなかった。

毎年のことなのか隣の女性の先生も気にしていなかった。


「それでは、面接を始ましょう」

女性の先生がそういって面接が始まった。

─────────────────────────────────────


面接は学校生活や将来の展望など他愛のないものだった


「よし、面接は終わりだ。それじゃあ次はお楽しみの実技試験だ」

面接中、とても暇そうにしていた学院長が嬉々として言ってきた。


「まずはあの藁束を斬ってくれ。塵山流ならとにかく速く斬ることを意識してね」


「はい」


そうして剣を構えて、最大限に集中をして


「三の塵──五月雨斬り」


お爺ちゃんの指導によって

以前よりも速くそして重くなった十五の斬撃を藁束に当てる。


「これは凄いなあ。塵山流使いでこの藁束をここまで斬り裂いたのは君が初めてだ」


「ありがとうございます」


「それじゃあ次はオレと戦ってみようか」


「はい……?何を仰りますか、学院長と僕がだなんて……」


「いいからいいから、はい構えて」

そう言って剣を取り出す。


「それじゃあ始め」


戸惑いながらも僕は学院長の動きをよく見る。


やはり、この大陸を救った方だ。

隙がない上に気迫が凄く、自分から攻められない。


「いいよ、そっちからきて」


そう言われては自分から行くしかないと心を決め、


「一の塵──六切り」


僕の中で最も速い六つの斬撃はステップだけで全て躱された。


「速い」


「次はこっちから行くね

一の型──流星斬」


「二の塵──身躱し……、ぐっ」


一瞬で僕の前から消えた学院長が僕の後ろにいたことに気づいたのは僕が三度斬られた後だった。


手を抜いてくれているお陰で傷は浅くまだまだ全然動けるが、速すぎるスピードについていけない。


「塵山流は速さに特化した流派でしょ、オレについてきてごらん」

そう僕を誘ってくる。


「三の塵──五月雨斬り」

魂と肉体が重なっている様な意識を強めて斬る。


「おおさっきよりも速くなったね、けどまだまだだ」


「ぐは」

あと隙に蹴りを入れられて吹っ飛ぶ。


「どんどん来な」


「はああああああ」

剣技を使わず、一斬り一斬りを組み合わせていく。


「いいねいいね、その調子」

余裕で僕の攻撃を捌きつつ僕を評価していく。


そして、

「その調子でオレの攻撃にも対応してみな」


斜め横上下様々な方向からの斬撃が僕を襲う。


(これはやばい)

時に斬られ時に去なしと繰り返していると


「二の型──無双十段」

最初の一撃以外を諸にくらってしまい僕は意識は落ちていった。

テンションが上がった勇者

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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