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アルスと乱入

監禁部屋から脱出して数日後、やっと完全に体調が戻った。よく食べ、彼と手合わせをして身体を動かして体力と筋力を戻した。


彼は何かを用意すると言ってどこかに去っていった。まあ、何処にいるのかは分かっているから何も心配はないのだけれど。


体力を戻している間、やつらによる被害が発生したという情報がピタリと止んだ。原因は不明だが、ラムザンがあの場を離れたことと何か関係があるのだろう。近々普段は群れないやつらが集団で襲ってくるのかもしれない。


そんなことが起きれば俺は救うことが出来ないかもしれない。だから更なる力が欲しいが方法が分からない。人間の限界近くまで鍛え上げているからこそやつらと張り合えるが、逆に今よりも力を上げることが難しい。


「魔法しかないのだろうか……」

魔法適性が最悪に近い俺が魔法を習得するのは至難の技である。


が、方法がないわけではない──。

─────────────────────────────────────


細かった四肢や薄かった胸板が膨れ上がり背も伸びていく。一本、角のようなものも額に見える。愛くるしい顔にゴツい身体は非常に合っていなかった。


ガウラスが表情を歪ませる。当然だ、ただの七つも下の後輩が一気に自分以上の背丈の化け物になってしまったのだから。


二本の短剣が魔力を纏い大剣と同等に大きくなる。アルスはそれを握り、ガウラスに斬りかかった。


ガウラスは最初の一撃は上手く防いだ。しかしもう一方から迫る剣に対応出来ず片口に斬傷が出来た。痛みに顔を歪めた瞬間に極太の足による蹴りが鳩尾に刺さりガウラスが吹き飛んだ。


土煙が晴れると同時にガウラスが飛び出てきて

「ニの翼──真空斬」

元のアルスが当たったら上半身と下半身が真っ二つになってしまうほどの斬撃。しかし今の彼には効かなかった。


練り上げられた筋肉の前に刃は止まった。ガウラスもそれは予想外だったようで動きを止めてしまった。アルスはその隙を逃さなかった。

口角がニヤリと上がり、剣を投げ捨てると下突きを繰り出した。その拳は確実に鳩尾に入っていた。


その光景がしばらく続くとガウラスは壁に吹き飛ばされる。アルスはそれに追随して更なる攻撃を仕掛けた。


上、正面、下、様々な方向から凶拳が繰り出され、ガウラスが痛めつけられる。いや、潰されると言った方が正しい。


心配する者、面白そうにもっと煽る者、無表情でただただ見続ける者。観客の様子は三つに分かれていた。


僕らはガウラスを心配していた。

「大丈夫ですかね、あの子」


「……まずい状況」

アルスが自我を失っている場合、彼は止まらない。そうなるとガウラスが命を落とす可能性が高い。


「助けに行ってくる」


「間に割って入ってもいいのでしょうか。流石に学校側も止める気がするのですが」


僕らはしばらく進行の様子を伺うが止める様子はない。むしろ嬉々として進行をしている。


「だめだ、僕行ってくる」

僕は観客席から飛び降りて場内に入った。アルスとガウラスに割って入り、蹴りでアルスを吹き飛ばす。


「くっ、重い」

鉄塊を蹴ったような重さであり骨の一本は折れたような気がするがガウラスの回復を優先する。


ガウラスの状態はひどい。様々の骨が折れ、顔は青く腫れ上がっている。アルスが拳ではなく剣で行っていたら確実に生きていなかっただろう。

しかし『超回復』は万能だ。消費魔力量は多いが、何でも治す。折れたり、粉砕した骨は元の形に。腫れが収まり、病気すらも治す。


僕の行動に色々なところからブーイングが上がる。


この学校の周辺の人はこんな血に飢えていただろうか。何かが起きていそうで嫌な予感がするが今は目の前のアルスを戻すのが先だ。


体勢を立て直したアルスと対峙する。


先に動いたのはアルスだった。その拳をもって僕を一撃で沈めようとしてくる。が、

「二の塵──身躱し連斬」

拳を去なして反撃した刃はその身を確実に斬った。


肉体と魂の結び付きを強めたうえで四の塵『性質変化・剛』、ロニエの『筋力増強』、キョウカの『鋭敏化』があるお陰であった。

そうでなければ傷一つつけることも出来なかっただろう。


その流れに乗って

「五の塵──豪剣連斬、二連」

更なる追撃を仕掛ける。その斬撃は確実にアルスにダメージを与えた。


ガウラスの剣技をものともしなかったアルスだが、僕の剣技に少しよろめいた。


拳は去なす。蹴りは避ける。大ぶりな攻撃は当たらなければ何の問題にもならなかった。

確実に攻撃を当てていく。


アルスが尻餅をついて倒れた。

(ここだ!)

全意識を足に集中させて重心を乗せその顔を蹴った。


アルスは吹き飛んでいく。その姿は元の小柄な身体に戻っていった。


「ふう、何とかなった」


『えーっと。勝者、イティラ・トロム』

進行がそう言うと観客から拍手が聞こえた。


(満足してくれたか)

途中で割って入った時は観客の様子は最悪に近かったが僕とアルスの戦いで納得してくれたようだ。


役目を終えたからアルスを回復してロニエ達のところに戻ろうとすると──


「俺を忘れてもらっちゃ困るぜえ」

どすん、と爆発音のような音を立てていつかの様に上空から何者かが降ってきた。

乱入者の正体は?

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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