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誘い

「何故、餓死なんだ」

彼をこんな状態に出来るほどラムザンは腕が立つ。

やろうと思えばいくらでも俺を倒せると思うのだが……。


「今まで散々、油断した奴があなたに帰されたんですよ。だったら、自ら手を下すのではなく時間はかかりますが自然に任せたほうが確実でしょう」


「その通りだな」

この鎖は未知の素材で出来ていて、金属の鎖程度なら千切れる俺の腕力でも出来ない。そして一番の問題はラムザンが俺の剣を探検のように振り回して踊っていることにある。


あの剣には身につけていると俺の力を更に強化する魔法が刻まれている。ただでさえ酷い頭痛に襲われていて、手を縛られている状況であの剣がないと何も出来ない。そもそもそれが狙いであるのだろうが。


完全に手詰まりなこの状況を打破する方法がない。

(彼も目を覚さない、本気でまずいな……)

─────────────────────────────────────


「にいちゃん、ねーちゃん」

僕らじゃアルスと外を駆け回るのをやめて家に入ると当然、アルスがそう言った。


「ん?どうしたの」


「にいちゃんとねーちゃんは学校祭、来る?」


「うーんと、えっと、そうだなあ」

学校祭に行く。それ即ち魔剣士学校に出向くということ。

負の思い出の塊であるあの学校には出来れば行きたくない。


「行かな──」

「にいちゃん、来てくれないの?」

一瞬で目を潤ませ、僕の返答を遮ってそう言った。


(っく、断りづらい)

子供の魔力と言うべきか。潤んだ瞳と懇願するような態度は断ると僕が悪いように感じてならない。


「い、行くよ。行きたかったんだよ」

半分以上自棄でそう言った直後、アルスの顔がパッと晴れた。


「やったあ。僕の発表、見ててね」


「え、アルスは発表するの?」


うん、と頷くアルスはただひたすらに喜んでいた。


何故、驚くのか。それは魔剣士学校祭で発表出来る生徒は上位十名と定められているからだ。当然、僕は出たことがない。


「私たちも行っていいんですかね」

話を見ていたロニエがそう割って入ってきた。


「うん、ねーちゃんたちも見てて」


「はい、楽しみにしています」

そう言うロニエは母のように包み込むような笑顔を見せた。


「学校祭っていつなの?」


「明日」


「明日!?随分、急だね」


「今日はにいちゃん達を誘うために来たんだ。急すぎだから駄目、ってお母さんには怒られちゃったけどね」


「なるほど」

全然、家に来なかったのも発表のために練習していたからか。


「前日なのに練習はいいの?」

僕はしたことがないから計画の進み方はよく分からないけど普通は前日に最終練習をするだろう。


「うん。僕は完璧だから大丈夫って先生が言ってたの」


「そっか。アルスは凄いんだね」


えへへ、と誇らしくも気恥ずかしそうに笑った。


発表の発表ってかなり難しそうなのが多かった気がするけど。あのイルビィも苦戦したって噂だ。


「楽しみにしているね」


「うん!」

その言葉を最後にアルスは一瞬でこてんと横になって寝てしまった。


「早いですね」


「一杯はしゃいだから疲れたんだよ」

子供は遊ぶのと寝るのが仕事だ。


「それにしても魔剣士学校かあ」


「……何か嫌なことが、あった?」

キョウカはこういう所が鋭い。


「実は──」

僕は魔剣士学校での嫌な思い出を話した。


「そんなことが……。そう言えば前はあまり強くなかった、って言っていましたからね」


「……大変、だったね」

キョウカも悲しげな表情であった。明るく話したつもりであったけど、まさかこんなに重く受け止められてしまうとは……。


「まあ、今はものすごく嫌な思い出っていうわけではないんだけどさ。あの件がなかったら僕はこの学院に入れていなかった」

僕は勇者学院に来れていなかったらどうなっていたのか、それは分からない。お爺ちゃんと農作業を一緒にしていたのだろうか。


「そうですね。それにしてもあの強い男の人がイティラ君を……」

そういえばロニエはイルビィのことを見たんだった。僕がボコボコにされるところも、生存本能に制御を奪われるところも。


「それにしてもイルビィはどこに行ったんだろう」

あれから学院長の伝手で捜査をかけているが未だに見つからない。


「本当ですね。今後は何もなければいいんですが……」

そう言うロニエの表情はとても心配そうだった。


「大丈夫、何とかなるさ」


(あの時よりも僕は強くなっている。そう確信出来る)

ん?フラ(((殴

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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