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ロニエと訓練

「はい、終わったわよ」

起こされて自分の身体を見下ろすとそこからは剣が生えていなく、血も出ていなかった。


「やはり凄いな。手際も良いし、治癒魔法も強力だ」

一応のために見守ってもらっていた彼は感心していた。


「ただ、ごめんなさい。剣の性質的に完全には直せなかった」

元々剣が刺さっていた位置には目を伏せてしまうような醜悪な傷跡が残っていた。


「いいや、この剣の傷をここまで治せるのはお前しかいない」

俺が刺された剣には回復封じの魔法がかけられていた。その魔法を越えて傷を治せただけでも良かった。


──最悪、常に傷が開いたまま戦うことになっていたかもしれないから。


「この礼は必ずする」


「いいわよ、礼なんて。私は仲間たちが傷つけた者を治しているだけだから」

私たちが来なければ傷なんて出来なかったんだから、と悲しそうな目をしている。


「俺たちが必ず八柱を倒す」

やつらを倒し、大戦を終わらせる。それが俺たちの使命。


「ありがとう。けど、自分の身の安全も注意して」


やつらは破壊し人々を傷つけるだけで良いが、俺たちは仲間を守り、倒さなければならない。

かなりのハンデを背負っているが──


「絶対に勝つ」

─────────────────────────────────────


「やっぱりこの山は不気味ですね」


朝食後、僕らは再び山に来ていた。


「この休み中に必ずお爺さんに勝ちます」

両手を胸の前で握ってやる気を見せるロニエ。


「うん、頑張ろう」


そう言うと僕は近くの木の枝に飛び乗った。


「まずは木を乗り継いでこの山を一周しよう」


「えっ?一周ですか」

この森はかなり広いからそう思うのは無理ないけど──


「『魂の転移』の強化幅を信じて。直ぐに回れるよ」


「分かりました」

ロニエも木に飛び乗ったのを確認してから僕は次の木へと飛び移った。


ロニエも真似をしてついてくるが

「きゃっ」

足を滑らせて落ちそうになってしまった。


「足元を見過ぎだよ。怖くても正面を見ていないと滑っちゃう」


「はい」

ロニエは女子だけど勇者学院生。優れた身体能力を活かして空中前回りを応用して枝に乗り直した。


それを確認すると僕は次の枝に飛び移っていく。


時々背後を確認すると、ロニエはぎこちないながらも僕に付いてきていた。


その時、バキッと音を立ててロニエが乗っていた枝が折れた。


「痛たたた」

僕が戻って様子を見るとロニエは腰を摩っていた。


「大丈夫?怪我はない?」


「はい。落ち葉が衝撃を殆ど吸収してくれましたから」


「どうしてイティラ君は乗れていた木が折れちゃったんですか」

体重ですか、体重ですか、と詰め寄ってくる。


「ロニエは十分痩せているよ。折れてしまったのは重心の掛け方がいけなかったんだよ」


「重心ですか」


「うん。これは戦いの中でも通じるものでね」

僕は詳しい重心の掛け方を教えた。


「難しいですよ。イティラ君だから出来るんです」

ふん、と拗ねてしまった。


「僕も最初は全く出来なかったよ。ほら見て」

僕が指差す先には多くの先の折れた枝がある。


「全部僕が失敗して折っちゃったやつだ」


初めてお爺ちゃんに連れられてここに来た時は殆どの枝を折っては落っこちていた。


「だから、失敗することは当たり前だよ。むしろ前の僕よりも凄い」


「失敗することは当たり前……。そうですね、当然のことを忘れていました」


「じゃあ、続きをしよう」


僕は木に飛び乗って訓練を再開する。


ロニエは時に滑って、時に落っこちた。

けど、決して諦めることなく僕に付いてきた。


やがて、


「やっと終わりました」

はあ、はあ、と息を切らしながら地面に寝転んでいた。


「うん。お疲れ様。『超回復』」

ロニエは途中途中で肩や腕を擦っていた。多分かなり痛いであろうそれを治すと


「ありがとうございます」


「さあ、行こう」


ロニエはキョトンとして

「どこにですか?」


「勿論、お爺ちゃんの所だよ。ここから走って家に帰って、お爺ちゃんと稽古だよ」


「えー」

ロニエは嫌々ながらもちゃんとついて来てくれている。


「仕方ないよ。身体を慣らすにはとにかく動かすしかない」


「分かっていますよ」


僕らは家に向かって走った。ロニエはヘトヘトになりながらも頑張っていた。


その後、お爺ちゃんの元に辿り着き稽古をつけてもらったが、厳しいお爺ちゃんに二人ともボコボコにやられた。

ロニエの成長に乞うご期待。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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