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お風呂と見つめ合う瞳

「そっちに行ったぞ」


「ああ、分かってる」

彼が瞬時に拳に魔力を纏わせて、敵の胴体を打ち抜いた。


「ぐあああぁぁぁ……」

僅かに抵抗しようとしていたが虚しく散っていった。


「やっぱり協力すると楽だな」

彼は拳を開き、振りながら近付いてきてそう言った。


「そうだな。痛いか?」

俺はその拳に視線を向けた。


「そりゃあなあ。奴ら、リオルトの剣と剣技でやっと斬れるくらいの硬さなんだから」

俺の拳じゃ痛えよ、と自嘲気に言ってくるが


「魔力で纏っていたとはいえ素手で貫けるのもおかしいけどな」


「違いない」

はっはっはと笑い合う俺たち。


対戦の最中、久々に気を落ち着けることが出来た。

─────────────────────────────────────


ロニエはタオル一枚で身を包みなんの警戒もなしに浴室に入ってきた。


タオルで包んでいるとはいえ、その蠱惑的な腕や足が惜しげもなく晒されていて。


「ろ、ロニエ!?」

僕は一瞬、彼女に視線が留まってしまったが直ぐに逸らして目を瞑った。


「別に大丈夫ですって」

ロニエはそう言うとタオルの結び目を解いた。


「ロニエえええええ、…………ってあれ」

彼女の肌色面積は格段に広くなったが


「ふふ、水着です」

そう、ロニエは上下レース生地の黄色い水着を身につけていた。


「どうして水着が?」


「山があると聞いていたので小川もあるかなと思って一応」

その反応が見れて十分持ってきた甲斐がありました、と呟いて微笑んだ。


「そっか。けど……」

何度も言うが、ロニエの肌色面積は非常に広い。

こんな至近距離で女子の身体を見たことがない僕には刺激が強すぎた。


「さて、イティラ君。お背中お流しいたします」

さっきと同く小悪魔のようにそう言った。


「いいよ、もう僕身体洗ったし。タオル無いし」

これ以上彼女に近付いてはいけない。ましてや触れられたりなんてしたら、と脳内で警告が響き渡り、手をブンブン振って断ろうとするが


「どこかの大陸には裸の付き合いというものがあるらしくてですね」

本当に裸にはなれませんけどね、と博識を披露しつつそんなことを言い出した。


「ここはメリカ大陸だから、別大陸関係ないから」

僕の訴えは虚空に散って


「まあ、とにかくタオルを渡すので流させてください。これもお仕置きの一貫です」

最後の一言が僕から拒否権を奪っていった。


(まだ怒っていたのか……)

想像の何倍も怒らせていたらしい。まあ、単純にこの状況を楽しんでいるようにも見えるけれど。


「分かった。背中を流すだけだよ」

ここは折れないと更に状況が悪くなると直感した僕は渡されたタオルを腰に巻いて風呂から出た。


「ふふふ、一度こういう事をしてみたかったんですよね」

ロニエはゴシゴシと背中を擦ってそう言った。


しかし、僕の耳にはその言葉が入ってこなかった。


(近い近い近い、お風呂入る前なのに良い匂いするし……)

僕の頭はあまりの事に熱暴走を起こしていた。


「どうですか、ちょうど良いですか」


「ああ」

ぶっちゃけ感覚が無い。


「む、反応が悪いですね」

そう言うとロニエは僕の脇腹に指を伸ばしてチョンと触れてきた。


不意に触られたその部分から全身に電流が駆け巡ってピクンと跳ねた。


「あはは、面白いです」

ロニエにチョン、チョンと身体に触れられて僕の熱暴走で壊れていた僕の思考が復活した。


「ちょっと、やめて」

僕が振り向きながらそう言うと


「「あっ」」

目の前にロニエの顔があった。少し近付ければ額やら鼻やらが触れ合ってしまう距離で僕らはお互いを見つめ合う。


綺麗に整えられたまつ毛。濁りのない澄んだ瞳。すらっと伸びた鼻筋。しっかりと通った鼻筋。ぷるんと艶かしい唇。

接近しているからこそ分かる情報が視界からどんどんと入ってくる。


しばらく見つめ合っているとぽっとロニエの顔が赤く染まった。


「あ、あの…イティラくん?」

恥じらうように右下に視線を落としてチラチラとこちらを見てくる。


「はっ、ごめん」

僕はぼーっとしていた意識が戻った。


僕の顔も赤いのは単に長時間暑い浴室にいるからだろうか……。


「……流します」

ロニエは僕の泡をお湯で流し、更に水気をとってくれた。


「あ、ありがとう」


「い、いえ」

両者とも顔を赤らめて気まずい空気が浴室中を駆け巡る。


「あの、えっと、その」


はー、ふうう、とロニエは一度深呼吸をして胸の前で手を握って


「私の背中も流していただけますか?」

はにかんで笑い、こてんと首を傾げてそう聞いてきた。


──勿論、答えはただ一つ。


ロニエと同じように一度深呼吸をして言った。


「いやだよ。これ以上恥ずかしくなってなるものかああああ」

僕は半分叫びながらそう言ってすぐさま浴場を飛び出した。


残されたロニエはさっきよりも遥かに顔が真っ赤に染めて


「もう、イティラ君のばか」

そう言ったが、その声は浴室だけに留まり誰の耳にも入らなかった。

''ヘタレ''主人公と暴走気味のヒロイン。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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