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キョウカと魔力と……

アブソーブ自身の魔力と僕の吸収された魔力がふわふわと漂っている。


「イティラ君」

ロニエとキョウカがアブソーブの消滅を確認して駆け寄ってきた。


「イティラ君、心配でした」

自分が一緒に戦おうにもかえって邪魔になってしまう、と思って離れたままでいたのだと思う。

僕もお爺ちゃんと山に獣を狩りに行ったときに同じことを思った覚えがある。


しかし戦闘中、僕が危険に陥ったらいつでも駆けつけようと気を張ってくれていたのを感じていた。


「……どうやったの」

魔力は不可視の存在だ。側から見たら突然アブソーブが爆発したようにしか見えなかったのだと思う。

(突然敵の身体が爆ぜたら誰でも驚くよなあ)


「僕は魔力を流したんだ」


「魔力を流した?吸われていたのではないんですか」

ロニエが当然の疑問を投げかけてきた。


「うん、吸われていたよ。だけどそれに加えて自分で更に流したんだ」


その答えに対してどうして、と言いたげな顔でこちらを見てくる。


「アブソーブが負けてしまうって冗談まじりに言っていたのを覚えてる?」


「はい」


「僕は思ったんだよ。それが冗談じゃなくて本当だったらって」


「本当……だったら?」


「仮に僕らに魔力を溜める器のようなものがあったら、それを上回る量の魔力が注がれたとき溢れる。

アブソーブが言っていた負けるってそのことじゃないかなって、まあ賭けだったけどね」


本当に危険な賭けであった。アブソーブの許容量が僕の残り魔力を上回っていたら僕は負けて死んでいた。


「それで魔力を流し込んだのですか。どうしてそんな危険な真似を」


「あのまま、障壁を破ろうと攻撃していたら僕の魔力が尽きるのが先だと考えてね」


「確かにそうですが……」


「まあ、とにかく倒せたんだから良かったよ」

その答えにロニエは納得していない様子。むう、と頬を膨らませている。


ごめん、ごめんと宥めていると

「……全員倒した」

当然、キョウカがそう言った。


突然過ぎて何を言われているのか分からなかったが理解に至った。

「九位階か。確かにそうだね」


学院長が二、八、九。セキグ先輩達が六。僕が一、四、七。アレンが三、五。


(九位階の全てが倒された。あとは魔王がどう出てくるかだけど……)


「まあ、考えても仕方がないか」


「ん?何がですか」


「何でもない。それよりあの魔力を戻せないかな」

流石に魔力量が多いとは言えどもあと一歩の所で一般的な魔力切れという状態となってしまっている。お陰で少しだるくて頭が痛い。


漂う膨大な量の魔力。本来見えないのに集まり過ぎて周辺が白くなっている。あれを戻せたらなと思うけれど方法が分からない。


「確か、今まで魔力について研究された中にはありませんでした。そもそも素の状態の魔力が剥き出しになっているっていう状況が珍しいですからね」


「よく知っているね」


「お母さんがその道の研究者なので」


(ロニエのしっかりした性格はお母さん譲りなのかなあ)

僕はそうなんだ、と相槌を打ってそう思った。


興味深いですね、と言ってロニエがキョウカを引っ張って魔力の方に近付いていった。


──すると


今まで揺れ動くだけだった白い靄がキョウカの方に寄っていった。

それがキョウカに触れると光を発しながらキョウカの中に吸い込まれていった。


「何をしたのですか、キョウカちゃん」

突然の出来事にロニエは驚いてそう言った。


「……分からない。けど」

と言うと突然僕の手を掴んできた。


「何をしているの、キョウカ」

むむむむ、と手を掴みながら言っている。


「何をしているのでしょうか」


「さあ、全く分からない」


キョウカのむむむむ、と言う声が聞こえ始めてそのまま数分が経った。


手汗をかいてきちゃったからそろそろ離したいな、と思っていると突然キョウカがピクンと動いた。


何があったんだろうと思っているとキョウカから魔力が流れ出してきた。


「どうしたんですか」


「キョウカから魔力が流れてくる」


「本当……ですか」

ロニエにとって不思議なことが起きているのか物凄く驚いていた。


「僕もやったけど、そんなにおかしいの?」


半分そうです、と言って

「魔法を使わずに魔力を体外に出す事は出来ないはずですが……」


(僕の場合はアブソーブの魔法という経路があったから出来たのか)


「けど、キョウカから流れ込んでくるんだよ」

吸われた時の逆で魔力が凄い勢いで身体に入ってくる。


「んん」

やがて魔力の流れが止まり、キョウカがそう言った。


「ありがとう。お陰で元気になった」

いつの間にかちょっとあった身体のだるさと頭痛が取れていた。


「……半分も戻せ、なかった」


「全然大丈夫だよ」


僕らがそう言っている間

「魔法を介さない魔力の移行、頑張って研究してみよう」

一人の少女は固く決意をしていた。


「よし、魔力も少し回復したし学院に戻ろう」


「そうですね、学院長に報告をしないとですからね」


「その必要はない、俺が届けてやる」

僕らが振り返ると二十歳くらいの端正な顔立ちの青年が立っていた。


(学院長がある程度消した存在感を感じ取れるようになった僕に一切気付かせないで背後をとるとは何者だ)


僕が怪しいと思ってじっくりと観察していると

「どうした、連れていってやるから早くこっちに来い」

手を広げて寄ってくる男。


「キョウカちゃん」

「うん。『飛翔斬』」

ロニエが名前を呼ぶと意を汲んだように不可視の斬撃を男の周囲に放った。


「ちょちょ、いくら怪しいからって魔法を放つのは」

良くない、と言おうとしたが言えなかった。


キョウカの斬撃が男の周りの地面に触れた途端、そこから鋼鉄の太い針が突き出してきたのだから。


「乱暴は良くないぞ。連れてってやるって言ってるんだからさ」


──死んだ状態でな。

普段無口な少女がむむむむ、って可愛いと思いませんか。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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