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同級生と二人

─────────────────────────────────────


(イティラ君を信じて走るしかない)

私はキョウカちゃんと皆んなを連れて闘技場へ走っていた。


「私たち、大丈夫かな……」

不意に背後からそんな声が聞こえた。

「もしかしたら九位階が全員この学院に襲ってきているのかもしれないし……」


確かに学院長が向かった南とアレン君が残った教室、それにイティラ君が食い止めている廊下、この時点で少なくとも三人が襲ってきていることは確実でしょう。

だからこそ

「今は弱気になってはいけません。心を強く持って、万が一の時が来たら皆んなで立ち向かいましょう」

私は皆んなを鼓舞し続けなくてはならない。イティラ君達が私たちを守るために身を張ってくれているのだから。


「そ、そうだね。皆んなといるんだもんね」

まだ少し怯えながらも立ち向かう意思をはっきりと感じられた。


「はい、そうです」


「ロニエ……変わった?」

キョウカは不思議そうに聞いてくる。


「イティラ君から自分の代わりになってくれとお願いされました。それで、彼ならこうするかなと思いまして」

何か恥ずかしいことを言っているように感じてしまって、顔が暑くなってくる。


「……そっか」

ついっといつもの顔に戻って前を向いた。


(あれ?キョウカちゃんが表情を変えていた?)

彼らが守ってくれている。そう思うとそんな場違いなことを思えるほど余裕が出来ていた。


「無事に着きましたね」

イティラ君と別れてから、誰にも遭遇することなく闘技場に辿り着くことが出来た。


「はあ、はあ……」

話しながらもかなりの速度で走ってきたから息が乱れてしまった。


皆んな、ここで身を潜めていましょう。そう言おうとした時だった。


全身が凍りつくような、そんな冷気を感じて

「何かが来ます」

そう言って、皆んなが臨戦体制を取ると闘技場のあちこちから人の二倍ぐらい大きい氷の山が突き上げてくる。


「貫かれないように、魔力を感じてください」

今はイティラ君がいない。回復魔法が使えないから怪我をしてしまってはいけない。


やがて、氷の山が突き出てくるのが止むと

「お見事ですねえ。流石は次世代の勇者候補」

長身の黒い服を着た、女性が優雅に歩いてくる。


「どうも、九位階の七、『ヘイル』と」

ヘイルはこの後も紹介が続くように名を言うと

「九位階の五、『ファントム』だ」

突然、ヘイルの隣にこちらも黒服を着た筋骨隆々な男が現れた。


「ここに誰かが来ないか見張っとけという指示は的確でしたね」


「流石は魔王様だ」


まさか九位階二人と遭遇するなんて思ってもいなかった。


(どうしましょう、どうしましょう)

私があわあわしていると

「三の閃──爆雷刃」

ルークソン君がヘイルに向かって突っ込んでいった。


ヘイルが扇子を振るうと巨大な氷の玉が発現して、ルークソン君を吹き飛ばした。


「大丈夫!?」

私が駆け寄ると

「立ち止まらずに手を動かす。それが'彼'だろ」

キョウカちゃんとの話を聞いていたのか、その声を最後にルークソン君の意識が落ちた。


(あまりのことに忘れていた。そう、今は私が皆んなを引っ張る時)


「キョウカちゃん、やるよ」

キョウカちゃんが頷いたのを確認して


「一の閃──雷轟」

私はヘイルに近付いて

「『放電』」

魔法が振られるよりもよりも速く魔法を行使する。


「この程度なのですか」

しっかりと電流が通っているはずなのに虫が掠めたかのような余裕さでこちらを見ている。


「ヘイル、狙いは後ろだ」


「へっ?」

背後から瞬時に現れたキョウカちゃんが

「三の雪── 狂雪月花(くるいせつげっか)

十二連斬りを放った。


「きゃあああああ、ってなんてね。『操氷』」

痛みで叫んだかと思ったけど、そうではなかった。


ヘイルが不敵に笑うと背後に氷の山が生えてきてキョウカちゃんを貫こうとした。


「……」

キョウカちゃんは魔法が発現するのを予知して横に避けたように見えた。


「『鋭敏』……一の雪──白雪一文字」

キョウカちゃんは元の位置に戻って、居合い斬りをすると氷山ごと斬ってヘイル攻撃を届かせた。


ヘイルの黒服の袖が裂けて赤い線が出来た雪のように白い肌が露になった。

「っ、よくも私の美しい肌を……。じっくりと甚振って殺すつもりでしたがやめにします。ファントム」


「了解。『百鬼夜行』」

ファントムがそう唱えると闘技場のそこら中から鎧を着た骸骨や魔物などがぞろぞろと出現した。


「敵を滅ぼせ」

ファントムが手を前に突き出してそう言うと出現したものらが私たちに向かってくる。


「キョウカちゃん。ニの閃──鏡雷斬、四連」

私は近場の魔物が他の子に手を出さないように斬り伏せていく。


「二の雪──狂雪月花、二連」

少し離れたところにいるキョウカちゃんも魔物を斬り伏せていった。


「『操氷』」

私は足元が急に冷えるような感覚がして急いでその場を離れると氷山が出てくる。

「危なかった」

あと数瞬、遅れていたら身体を真っ二つに裂かれていたと思う。


「一の閃──雷轟、二の閃──鏡雷斬」

骸骨を斬り崩して

「次っ」

次の目標を定めて雷轟をしようとすると手を伸ばされた。


「ちょっと待てよ」

クラスの男子であった、名前は確かリアス君。


「俺らの力を舐めすぎだろ。雑魚は任せろ、ロニエさんとキョウカさんは親玉を」

最初は目を細めて怖そうであったけど、にかっと笑ってそう言ってくれた。


「そうだよ」

「私たちに任せて」

他の子も任せて欲しいと言ってくれた。


「分かりました、お願いします」

振り向いてヘイルに視線を向けると不満そうな顔でこちらを見ていた。


「いくよ」

「うん……」

私とキョウカちゃんは並び立って九位階の二人に斬りかかった。

形勢逆転……?

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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