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五人と少年

──魔王様を除いて

そう言ったヴェノムは悲しそうであった。


「魔王様は生まれつき魔法に対する才があった。だから、他の魔族は魔王様を生き残らせるために命を張った」


「気づいた時には一人であった。育ててくれた親。昔から遊んでいた友。皆んな皆んな彼の前から姿を消した…全て殺させてしまったから」

床を眺めて悲痛な面持ちでそう言った。


「魔王様は復讐を誓った、この世界に対して。そのための勢力を拡大させてる為に魔王様は自らの魔法でワタシ達を生み出してこの大陸を支配し着々と準備を進めていた」

とても早口で淀むとこなくそう言った。


ところが、と一呼吸置くと

「あと少しで全てが揃うところで勇者に全てを壊されてしまった。増やした配下は根こそぎ倒れた」


「そうして復活された魔王様は二度と同じことにならないようにこうして君たち、有望な芽を摘みにきたってわけさ」


世界への復讐、魔王が魔族の唯一の生き残り、魔法で魔族を生み出した。様々な言葉が頭を巡るが


「戦争に参加したのはお前達だ。そもそも参加しなければ良かったじゃないか」


「当時は参加しなければしないで滅亡させられたんだ。エルフの様にな」


ふう、と一息つくと

「話を聞いてくれてありがとうな。お陰ですっきりした」


「お前が勝手に話してただけだろうが」


「そうだな。さて、そろそろお別れだ」

ヴェノムは木の棒の様なものを前に差し出した。


僕は剣を構えてヴェノムの様子を窺っていると


「『猛毒液』」

発生した大量の黒掛かった紫色の液が僕を飲み干さんと襲いかかってきて──。

─────────────────────────────────────


'俺'は今非常にピンチである。

──セキグはあとほんの数ミリで首の周りの剣が刺さりそうになっていた。


話はほんの数分前まで遡る。


「南の方から物凄い音が聞こえる、多分攻めてきた」


「じゃあ、セキグどうするの」

答えを分かっているはずだがローズは聞いてきた。


「勿論、助けるしかないだろう。皆んなも同じ気持ちであろう」


「まあね」

「ああ」

「勿論だ」

ローズ、エヴィック、ザックはそう言い、レミリーは頷いた。


「じゃあ行こうか」

俺らは走った。


南へと向かうべく走る俺たちの横を何かが高速で通り過ぎていった。


「今のは……。一の閃──雷轟」

俺は抜けていった何かに追いつくために雷轟を使った。


「ちょっと、セキグ」

ローズが声を掛けてきたが気にせず目標に向かって接近する。


「ちょっと君いいかな」

追いついて肩を掴んで様子を確認するとかなり背が低い少年の様な子供であった。


「誰だ、てめえ」

(見かけによらず乱暴な物言い、親はどうなっているんだか)


「年上の人には敬語を使うべきだろう、少年。何処から迷い込んだんだ」


「あ゛?」


「ちょっとセキグ、襲撃者の方へ行くんでしょ急に逆に行かないでよ」

皆んながついてきたようだ。


「ああ、迷子を見つけてな」


「襲撃者?」


「ああ、今魔王の手先がこの学院を襲ってきた様なんだ。危ないからここから離れるよ」


「そういうことか。『分裂』」

少年が魔法を行使すると、少年が何人もに分かれた。


その少年たちは剣を抜き、俺の首元に剣先を向けた。


(あれ?これマズくない?)


「セキグ!皆んなやるよ」

ローズがそう言うと


「『硬化』」

「「三の翼──暴衝打ち」」

エヴィックが俺の身体を魔法で硬くして、ローズとザックが荒れ狂う衝撃を重ねて俺目掛けて放ってきた。


「うお、ちょちょちょっと待てぇぇ」

久しぶりに情けない声を出した。


エヴィックの魔法で殆ど無傷であり、首回りの剣も無くなったが

「とても怖かった。突然変なことをするなよ、全く」


「いや、こういった事態のためにってセキグが提案した作戦でしょ」


「あ、そうだっけ」


そうよ、とローズは言って少年を見る。

「アンタは噂の九位階ってことでいいかな」


どういう仕組みなのか一体に戻った少年は無傷であった。


「そうだ。俺は九位階の六。魔王様より頂いた名は『ディバイド』だ。てめえ、俺を迷子だの少年だのよくも言ってくれたなあ」


「すまん、すまん。君が九位階だなんて思わなかったんだ」


「けどなんで急にすっ飛んでいったわけ」


「ああ、それはな。こうするためだよ」

俺はさっき触れた時に仕掛けた魔法を使う。


ディバイドを中心にして濃密な魔力が爆発した。


「お手柄じゃない、けど不意打ちなんてサイテー」


「いいじゃないか、俺の魔法は用途に困るんだから、『付与』をすると剣がダメになるし。それに、確実に当てるには本体に埋め込むって案をくれたのはエヴィックだ」


「実際、良かったじゃないか。何事もなくっ……」

俺の魔法に直撃したはずのディバイドが超速でエヴィックに迫り、回し蹴りをくらわせた。


「エヴィックっ」

俺は彼のところに駆け寄ると


「この俺があんな低俗な仕掛けに気付かないとでも思ったか」

吐き捨てる様に言って

「それに魔族にただ濃くしただけの魔力で攻撃できると思ったか。残念、強化するだけなんだよ」


そう言うと俺にも蹴りかかってくる。


「危ない、三の翼──真空斬、付与『暴風』」

間を割って入ってきたローズが蹴りを弾く。


「どんだけ硬い足なのよ」

ローズは剣を足で受け止めたディバイドにそう言うと


「そりゃあ、魔王様より頂いた崇高なる肉体なのだから当たり前だろう」


「これは厄介な相手だね」

立ち上がったエヴィックがそう言った。


「大丈夫だ、イティラ君相手に散々練習してきたじゃないか」

俺たちは彼が行なっている放課後の鍛錬に偶に顔を出してはボコボコにされている。本当になんで彼はあんなに強いのか……。


「そうだな」

エヴィックのその返答を聞いて今まで静かだったレミリーに向けて

「歌を頼む」

と指示を出した。

久しぶりのセキグ、覚えていますか。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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