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鍛錬

集中強化が始まって早一週間、魔王の居所は未だに掴めていない。

しかし、鍛錬によって僕は今までとは比べ物にならないほど強くなっていた。


「三の型──急襲」

一瞬で消えた学院長の位置を感覚で掴んで

「ニの塵──身躱し連斬」

学院長の上空からの一撃を去なして、反撃を仕掛ける。


「おっと、危ない。『衝撃弾』」

学院長はバックステップをしながら着弾点に衝撃を発生させる魔力の弾をばら撒いてきた。


僕はそれをギリギリで躱しながら雷轟で接近して

「三の塵──五月雨斬り」

十五連斬を仕掛けた。


しかし

「甘いよ」

正面にいたはずの学院長が背後に回り込んでいた。


僕は咄嗟に回避行動をとろうとするも僕は剣技を使い始めた後であった。

「まず、い」

「二の型──無双十段」


また、僕の意識が刈り取られた。

─────────────────────────────────────


「はいはい、起きろ」


僕は自分に掛けられる声を聞いて意識を覚醒させる。


「よし起きたな、再開するから回復しとけ」


気絶して、意識を戻して回復して、また戦う。

この一週間ずっとその繰り返しであった。


しかしそんなある種の拷問に近い鍛錬をどれだけ行おうと学院長から塵山流の四の型を教えられていなかった。


「学院長……疲れてきてしまいました。今日はもうこれぐらいで」

僕は連日の鍛錬によって肉体的にも精神的に疲れてしまっていた。


しかし──

「甘えるな。本気で強くなりたいと思うならこれくらい乗り切って見せるんだ」

学院長はいつになく厳しく僕の願いは叶わず鍛錬が終わることはなかった。



どれだけ戦っても


「──詰めが甘い」

気絶をして


どれだけ倒れようと


「──起きろ」

目を覚まさせられた。


自分がもう何回気絶して、何回立ち上がったのか分からなくなってしまった。

怪我も何もないのに視界はぼやけて、死んで休めるならいっそのこと死にたい思いで一杯だった。


しかし、学院長の『本気で強くなりたいと思うならこれくらい乗り切って見せるんだ』という言葉が脳内から離れず、執念で剣を構えた。


「甘い」

もう何度目か分からないその言葉を聞いて気絶をする準備をしようとすると

──突然霞んでいた視界が晴れた。


学院長の攻撃をくらって気絶をする準備をしているのに一向にその衝撃はこない。


「よしきた」

嬉しそうな学院長の声が聞こえた。


僕はいつまでも攻撃を仕掛けてこない学院長の方を向いた。


学院長は口角を上げて

「イティラ、攻撃をしてこい」

剣を構え直してそう言った。


意図は理解出来なかったが言われた通りに

「三の塵──五月雨斬り」

いつも通りの剣技を放とうとしたが


身体の速度は意識を超えて、普段よりも僕の振るった剣技は格段に重くなっていた。


僕の剣は学院長の剣を弾いて、連斬がその身に襲いかかる。


学院長はステップを踏んで僕の攻撃を避けきった様に見えたが

──その頬には短い一本の赤い線が引かれた。


(あれ……学院長に剣が掠った!?)

今までの鍛錬で僕の剣が届くことは一度もなかったのに、と思った頃には沈んでいた僕の意識は


「そろそろ意識が元に戻ったか」


「学院長……僕は」


「オレに滅多滅多にされて意識が半分死にかけてたんだよ」


「意識が半分死にかけていた……」


「オレはイティラに半分嘘をついていた。オレは塵山流の四の型を教えるための腕がない」


「え!?」


「ただオレは四の型を引き出すことは一度だけ出来た……今回の様にしてね」

人差し指をぴんと立てて片目を瞑った。


「引き出すって……」


「イティラ、よく頑張った。そしておめでとう、『塵山流 四の塵──性質変化・剛』の習得完了だ」

学院長がそう言い終わると辺りから拍手が聞こえてきた。


「イティラ、やっぱり凄いな」

「イティラ君、本当に死んだ様な顔になっていたよね」

「学院長は私たちに大丈夫だ、大丈夫だって言ってやめないし」

「ねー」

彼方此方から僕を称賛する声が聞こえた。


「イティラ君、お疲れさまです」

「……お疲れ」

「待ちくたびれたぞ」

ロニエとキョウカ、アレンが近付いてきてそう言った。


「ありがとう。後、僕だけずっと学院長に鍛錬をしていてごめんね」


「別にいいさ、お陰でイティラがより強くなった」

抜きがいがあるってもんだ、とふっと口角を上げてそう言った。


「私もどれだけ倒れても絶対に折れないイティラ君を見て、自分も頑張らなくちゃな何回も思わされましたから。これからも私の鍛錬に付き合ってくださいね」

彼女の目には強くなりたいといったような向上心でキラキラしていた。


「まあ、放心状態になっていただけだけどね」


「それでもイティラ君は絶対に逃げ出さないで学院長の前に立ち続けていたことがまずとっても凄いことです」


「私も……そう思う。イティラは、凄い」


「キョウカまで……ありがとう」


「まあ、習得出来たからって身体が振り回されていたからこれからも鍛錬は続くけどな」

ひょこっと学院長が顔を出してそう言った。


「はい!」

やり方はどうであれ、やっぱり学院長は凄い人なんだなと改めて思った日であった。

イティラは何回気絶したのでしょうか。

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厨二病が治ったら、可愛くておっぱい大きくて可愛い君に出会えたってマジ?

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