入学と担任
今日は勇者学院の入学の日。
僕は勇者学院の制服を身に纏い正門を抜けた。
勇者学院の制服は学院長の好きな青色と力ある者の象徴とされる純白の剣の白色を組み合わせてデザインされている。
落ち着いた色とシンプルな模様によって落ち着いた雰囲気でとても好きだ。
受付を済ませて式の会場に向かう。もうすでに非常に多くの人がいた。その中にはアレンとロニエもいた。
ロニエはこちらに気づくと満面の笑みでこちらに手を振ってきた。
アレンもその様子でこちらに気づき手を挙げてくる。
僕は彼らに軽く会釈をして自分の席に着いた。
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式は簡単に済まされ、僕ら生徒は各自の教室に向かった。
その途中、アレンとロニエが近づいて来て
「久しぶり、イティラ」
「ああ、久しぶり。合格出来たんだな」
「はい、何とか。それにしても学院長先生は強かったですねぇ」
「そうだな、勇者に相応しい実力だった」
二人とも戦った時のことを思い出して
「クラスはどこ?」
「俺たちはA組だと思うぞ」
「僕はA組だけど何で分かったの」
「勇者学院は実力でクラスが決まるんですよ」
「そうなのか、知らなかった」
「イティラ君は説明会に来ていなかったのですか」
驚いたような顔でそう言った。
「推薦されたのが試験の近くだったからね」
そんなことを話しているうちに教室に着いた。
「席は自由だから固まろうぜ」
アレンの提案に対して
「勿論、こちらから頼むよ」
「私もそれでお願いします」
そうして席に着くと教室の前側のドアが開いた。
誰が自分たちの先生かなと思っていると
「勇者!?」
「嘘でしょ」
「勇者が担任になるのか!?」
所々で声が上がる。
「まずは入学おめでとう。今日から君たちの担任を務めるドール・エリートだ。
ドール先生でも学院長とでも好きに呼んでくれ」
「何故、学院長が担任になられたのでしょうか。
今まで学院長が教鞭を執られたことはなかったはずですが」
真面目そうな生徒がハキハキと聞いた。
「その理由はあそこだ」
そう言って僕たちの方を指さす。
「今年は推薦試験で合格した生徒が三人もいる。彼らの成長は僕が直々に見ていきたい。
だから、無理を言って先生方を納得させてオレはここに立っている」
殆どの生徒が何とも自分勝手な理由だ、と教室にいる思った。
「彼らはそんなに強いのでしょうか」
そう言って鋭い目を向けてくる。
「ああそうだ。何せ手を抜いていたにしてもオレに付いて来れたんだから」
「何だって、勇者に」
「そんなのあり得るわけ」
「相当手加減されたんだろ」
また所々から声が上がり鋭い視線を向けられる。
「あはは、私たち人気者ですね」
困ったように言う。
「人気者とは悠長だな。一瞬にして疑われている」
「これは困った状況かもね」
「落ち着け、落ち着け。大丈夫だ彼らの実力はすぐに分かる」
「すぐ……とは」
また真面目そうな彼が聞くと
「勇者学院では入学初日にクラス内バトル・ロアイヤルを行う。それで彼らの実力を測ってくれ」
「承知致しました」
「バトル・ロアイヤルについて追加情報だが順位で豪華な報酬がもらえる」
「豪華な報酬…何でしょうね」
ロニエはワクワクしていた。
「魔導書だ」
「「「「魔導書!?」」」」
「ああ、オレが魔王城から根こそぎ掻っ攫ってきた魔導書だ。
上級から下級まであるぞ」
「ご自身でお使いになられないのでしょうか」
「オレはあまり魔法適性がないからなあ。上級魔法とかさっぱりだから毎年こうしてあげてるんだ」
困ったように肩をすくめた。
「まあ、そんなことはいい。一位から三位まで上級、四位から十位まで中級、そこから下は下級だ。
魔導書獲得の為に皆一様に頑張ってくれ」
「「「「はい」」」」
全てを掻っ攫ってきた勇者




