SFC イース 4 Mask of the sun
SFCのマイナーRPGをやってみた感想文です。
このソフトは、良くも悪くも伝統的なイースです。昔からのイースファンじゃないとちょっとキツいかと思います。イース1からのファンの人にとっては、イース3でのイメージ崩壊から原点回帰した、このイース4は相当嬉しかったのだろうとは思いますが、やはりゼルダの神トラや聖剣伝説が出てしまってからの、この仕様の見下ろし型ARPGでは相当時代遅れな感じになってしまったのかと思います。印象としてはFCのハイドランドスペシャルと大差ない感じです。まあ、ファンにとっては、それがイースの伝統なのだと言いたいところなのでしょうが。
操作性もゼルダ等と比べてしまうと、はっきり言って慣れるのに相当時間がかかるほど不便だったりします。
全体の雰囲気は、イースという大看板が後ろ楯にあるので悪くないのですが、イースだからこその駄目な点というのもしっかり受け継いでしまっている箇所が多すぎます。
まずイースって、全作品通してストーリーのスケールがホントに狭いんです。どの作品もマップはそれなりに広大ですし、各町などもゼルダや聖剣伝説と比べても遥かに広い。でも、このイース4でもストーリーはホントに『ご近所の身内』だけの物語といった感じで、全然『世界』が絡んでこない。どの作品もプレーヤーが全然、感情移入出来ず、ただ『ああ、どこかの国の見ず知らずの人達が身内内で揉めて、適当に解決して平和な暮らしに戻ったんだな』くらいのストーリーでしかないんです。一言で言ってしまえば『他人事』又は『遠い場所での内輪揉め』といった感じで、世界観が本当に狭い。まあ、それがイースであり、それが好きだというイースファンを否定するつもりは全くないので、ここは賛否両論としておきます。また、ここも賛否が分かれるところだとは思いますが、イースシリーズはBGMが本当に『独特』です。普通のRPGに慣れた人では、まず受け付けないかと思います。
これも個性というか、これが『イース』なのでしょうけど、私的には理解に苦しいBGMが多数ありました。一応、FCの1、2、3と、SFCの3は先に最後までクリアしています。その上で今回4を最後までやってみたのですが、このイース4のBGMは特にダメだと思いました。なんというか、全場面で『THE ALFEEの劣化版』みたいなヒドいロック調な音楽が流れます。
『イース』という老舗の看板があるのですから、ストーリーと音楽にもう少し腕の立つ人を起用出来ていれば、もっといくらでも名作に成り得たのにと思うと非常に惜しいです。
ストーリーも本筋は悪くないのですが、『ご近所の短い話』を無理に引き延ばそうと、ただ遠くの村まで花を買いに行って、長々と来た道を戻って大して意味も無い老人に届けてあげるだけのお遣いなど、本当にただの時間稼ぎのようなイベントが多く、先の展開が分かっているにも関わらず無駄に戻って往復するのが面倒でプレイするのを放棄したくなる事が多くありました。大幅に戻るにしても道中に敵が多く、バグってるかのように高速で寄って来る敵に体当たりでしか攻撃出来ないにも関わらず真正面からから当たると当たり負けして勝てない。いちいち敵のハスや後ろに回り込んで体当たりするために十字をグリグリ動かし続けてると指が痛くなるんですよ。ダンジョンの階段も上に登って下向きに出るので、登って行ってそのまま上を押しっぱなしだとまた戻ってしまって、さっき倒した大量の敵も全部復活している。この辺の操作性の欠点が非常に多いです。
これらの不便な点もFC時代から忠実に受け継いで、伝統的な『イース』のスタイルを頑なに守っているという点で、昔からのイースファンにとっては評価の高いソフトなのだろうとは思います。
私としては、ゼルダの伝説や聖剣伝説シリーズが面白かったと感じた人には、お勧め出来ないソフトなのかなと思いました。
賛否の分かれるソフトだと思いました。