七話「引キ戻サレタ」
「戻ってこい!」
選択をする前に、俺の体はぐいっと上に引っ張られた。
「あっ、助けに来てくれたんですね!」
「違う。
お前じゃなくて、助けに来た理由はカケラだ」
はっきりと言われた・・・。はっきりと言われたぞ!
俺より、カケラが大事って、なんか傷つく。
「さて、仲間探しに行くぞ」
「はい」
結局、俺は選択できなかった。
これから・・・ここから脱出するまでに、俺はいくつもの選択をするんだ。
俺は、どんな選択をするんだ?
最善の選択は、五番目。
「俺は、最善の選択にたどりつけるのか・・・?」
「早く行くぞ」
「あっ、今行きます!」
「戻ってこい!」
オ客様ハ、グイット上二引ッ張ラレタ。
ウン、ウマクヤッテクレタト思ウ。
「アア! モウバレチャッタノ! 五番! 痕跡ヲ残シスギヨ!」
四番ハ僕二視線ヲ向ケタ。
「ゴメンナサイ、バレテルト思ワナカッタ・・・」
「マァマァ、コレデ私達モヒソヒソトシナクテヨクナッタノデスカラ、選択ノ時ガ遅レテシマッタノハ残念デスガ」
「俺ハ別二ー? アッ、ソコノクッキー食ベテイイカー?」
三番ハ相変ワラズ、オ菓子二目ガナイネ。
「行ッテシマッタノデス、トテモ悲シイ事ナノデス、久シブリノオ客様ダッタノデス・・・。
僕ガ騒ギ立テタカラデス、居ナクナッテシマッタノデス、四番ノ言ウ通リ二静カ二シテオケバヨカッタノデス・・・」
「チョ、泣カナイデホシイワ! 本当二、二番ハ泣キ虫ネ!」
僕達ハ、番号デ名前ヲ呼ンデイル。
ソシテ、僕達ニハ役割ガアルンデス、オ客様。
選択肢トイウ名ノ、キチントシタ役割ガ、アルノデス。
オ客様、モシ僕達ノ正体ヲ知ッタノナラ、ボスト一緒二・・・。
「・・・・くださいね」
「ン? 五番何カ言ッタカー?」
「何デモナイヨ、三番」