二話「男と紙と脱出・・・?」
「あの、すみません!」
やっとの思いで見つけた人物に俺たちは声をかけた。
「ここどこで・・・」
「今すぐここから出ていってくれよ」
俺達をよく思っていないのは、第一声がそれだった。
「帰り方が分からないんです」
そういうと、やっぱりという顔をした。
しばらく沈黙が続くも、男の人が舌打ちをすると、嫌そうに俺たちに背を向けてこういった。
「ついてこい」
今の俺たちにはついていくしか選択肢がないので、男の人の後を追う。
ついていくと、家に着いた。
「ここは、どこですか?」
「これを使って、さっさと帰れ」
人の話を全く聞かず、木箱の中をがさがさと漁っている男。
「あった、これか」
しかし、奥底から何かを見つけ出して、俺たちに近づいてくる。
そして、俺達に紙を二枚渡す。
「お前らのだろう?
これを、この森の中心に持っていけば帰れる」
「あの、貴方は誰ですか?」
「お前らに教えるほどのものじゃない」
フ―ドを深くかぶっていて分からないが、とても殺気立っていた。
「あの、俺たちじゃ中心が分からないので連れて行ってもらえませんか?」
その言葉に、「なんで俺が」とつぶやいたような気がしたが、緊急事態なのでスルーした。
「お願いします!」
友と二人でぺこりと頭を下げると、この雰囲気に耐えられなくなったのか「分かった、そのかわり帰れよ?」と言ってくれた。
俺達をひっぱって連れていく。
でも、どうして必死に帰らせたいんだ?
と思っていると、この空気が耐えられなくなったのか友が提案してきた。
「あの、物語か話してくれませんか!」
「・・・、少しだけなら」
おお、許可を貰えるなんて。
そして男の人が咳払いをして話し始めた。
「昔々、強大な魔力と才能を持ったやつらがいた。
その中の一人が、誰よりも強いと言われていた。
ある日、そいつが行っていた実験が暴走したんだ。
それで、その暴走を止めるため残ったやつらが禁断の魔法や魔術で暴走を解除した。
でも、その代償にどこかにバラバラに閉じ込められてしまった。
いつ解放されるかも分からない場所で、そいつらはずっと呪いが解けるのを待っている」
「救われないですね」
「暴走した人は、どうなったんですか?」
「どこかで、さまよっている。
助けを求めて、外のやつらを呼んで」
「その話、【魔術禁忌事件】にとても似ていますね。
それに、たすけを求めている。
それって、今俺達がいる原因が・・・」
「ついた」
俺達にこう言った。
そして振り返り、俺たちに向ってこう言った。
「それをもったまま、ここにたっていれば・・・」
グサッ、俺の腕に激痛が走る。
「え?」
俺は痺れ倒れて、声が出せない状態になってしまったのだ。
「―――っ」
そのまま、俺は気絶してしまった。
こちらもちょくちょく投稿していくつもりです