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一話「森の噂」

一話「森の噂」


こそこそと、暗い部屋で話をしている二人組がいた。


「森の噂、知っているかい? ア―ル君」


「何だ、それ?」


俺は疑問に思い、相部屋の友に疑問をぶつけた。


「ここら辺にさ、立ち入り禁止の森があるでしょ?」


「あるな」


俺はコクリと頷いた。


立ち入り禁止の森のことは忘れるはずがない。


立ち入り禁止の森は、始業式やパンフレットで注意事項としてたびたび出されていた。


それに、外で行う授業でもたまに注意をうける。


先生に聞いた話だと、あの森に入ったら、黒星を貰うほど恐ろしい場所なのだとか。


「で、その森の噂を聞かしてくれ」


すると、友はコクリとうなずく。


「夜遅くに、夢を見るんだよ。


前が見えないほど霧が漂っている場所で、どの方向に行ってもその場所から出られなくなってしまう。


簡単に言うと、周りが見えなくて森から出られなくなってしまったってわけ。


そこで、絶対に森の食べ物を食べたらダメなんだって。


帰れなくなくなるから」


そういう友は楽しそうに話している。


話を聞こうとした時、コンコンとディア先生が入って来た。


そしておれたちを見るなり、溜息混じりの声で「もう寝る時間だから、寝ろ」というのだ


「はーい」


俺たちはそう返事を返し、ベッドにもぐりこむ。


話を中断させられたのは残念だが、俺は明日の朝続きを聞こうと眠りについたのだった。


学校の鐘の音が良く聞こえて来た。


「もう朝なのか」


鉛のような体を動かして、背伸びする。


ふぁ、とあくびをして辺りを見渡すと俺は目を大きく見開いた。


まわりは俺が知っている相部屋では無く、森が広がっていたからだ。


・・・これは、夢?


手をつねってみると、痛みが感じ取れる。


ふと、友が言っていた事を思い出す。


「森の噂?」


霧が漂っていて出られない、森の中・・・。


カラン、ガランッ。


遠くの方で、何かが転がってくる。


霧が濃くて見えないため、近くに来てからやっと全体を見ることができた。


「あっ、アール君! 逃げて―!」


必死に走ってくる友、その後ろには岩が転がって来ていた。


いきなりの事に俺は硬直してしまう。


「何しているの、死んじゃうって!」


しかし動けない俺を見て、首根っこをつかんで「しっかりしてよ!」と走りながら大声で叫んだ。


オーの声で、俺も走り出す。


「すまん」


「しっかりしてよ」


しばらくして、あと少しで逃げ切れるって所で行き止まり。


「うそでしょ!」


壁を叩きながら、涙目になっている友はそう叫んだ。


「魔法、魔術はどうだ!」


いい案だと思って友に向かって叫ぶ。


その言葉に友は首を振る。


「今の俺達、一年生だよ!


攻撃系の魔法とか習っていないでしょ!」


「そうだった-!」


死ぬ!


そうおもったとき、岩が砕け散った。


誰かが、助けてくれたのか?


そう思って前を向くと、青い髪をした人がたっていた。


「助かったのかな?」


「そうっぽいな」


俺はその人にぺこりと頭をさげた。


「助けてくれてありがとうございます」


「・・・」


何も言わずに立ち去った。


俺たちがいうのもなんだが、どういたしましてぐらいはいってほしい。


「今の誰だろう?」


「追いかけてみるか?」


「そうだね」


うなずき合って、俺たちはその人物の後を追いかけた。



はじめての方ははじめまして、夢川一葉です。

キャラクタ-の別世界のお話ですが、どうぞ次回もお楽しみください。


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