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嫌われもののキッキとお月様

作者: ありま氷炎
掲載日:2020/05/31


 キッキはみんなに嫌われていた。

 どこに行っても嫌な顔をされてるので、キッキはある夜、ぽっかり夜空に浮かぶお月様に聞いてみた。


「どうして、私は嫌われているの?」


 するとお月様は逆に質問をする。


「わからないのかい?」

「私が太っているから?」


 少し考えた後、キッキがそう答えると、お月様は笑った。


「違うよ。キッキよりずっと太っているカバのパッパは、みんなに好かれているだろう?」

「そうだね。だったら、私の顔が怖いから?」


 キッキはまた少し考えてから答えを口にする。


「違うよ。キッキよりずっと怖い顔のトラのトトは、みんなに好かれているだろう」


 お月様はまたもや笑って、キッキはなんだろうと考え込む。

 そうして答えを見つけた。


「だったら、私があまりしゃべらないから?」

「違うね。キリンのリンは何も話さないけど、いつもニコニコしていて、みんなに好かれているだろう」

「そうだね」

 

 一生懸命考えた答えを全部否定されて、キッキは困ってしまう。

 

「お月様。わかんないよ。だったら、なんでみんな私のことが嫌いなの?」

「それはね。キッキがいつもバナナを貰っても「ありがとう」って言わなくて、誰かとぶつかった時も「ごめんなさい」って謝らないからだろう。いつも何かに怒っていて、誰もキッキに近づきたくないんだよ」

「そうなの。だからなんだね」


 キッキはお月様の言葉に頷いた後、黙りこくる。

 そうしてしばらくして、顔を上げた。


「だったら、私がいつもニコニコしていて、バナナを貰ったら「ありがとう」って言って、誰かにぶつかった時も「ごめんなさい」って謝るよ。そうしたら、みんな私のこと好きになってくれるんだよね」

「そうだよ」

「だったらそうするよ」


 翌日、キッキはお月様に言った様に、カバのパッパのようにお礼を言って、トラのトトのように誰かにぶつかると謝った。そしてみんなと一緒にいるときは、キリンのリンのようにニコニコするようにした。

 そうして、キッキはみんなに好かれるようになった。

 けれどもキッキは少しずつ疲れるようなっていた。 


 ある夜、キッキは夜空のお月様に聞いた。


「どうしてこんなに疲れるの?」

「それはみんなに好かれるように頑張ってるからだよ」

「好かれるって大変なんだね」

「そうだよ。だから、私はみんなから離れているんだ。こうすると、嫌われもしないし、好かれもしないだろう。孤独だけど、疲れないんだよ」

「お月様は羨ましいなあ」


 疲れていたキッキは心底そう思いました。

 





こんな終わり。

行間から感じてくださいませ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大人の童話ですね。 生きていれば、多かれ少なかれあることですが。
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