嫌われもののキッキとお月様
キッキはみんなに嫌われていた。
どこに行っても嫌な顔をされてるので、キッキはある夜、ぽっかり夜空に浮かぶお月様に聞いてみた。
「どうして、私は嫌われているの?」
するとお月様は逆に質問をする。
「わからないのかい?」
「私が太っているから?」
少し考えた後、キッキがそう答えると、お月様は笑った。
「違うよ。キッキよりずっと太っているカバのパッパは、みんなに好かれているだろう?」
「そうだね。だったら、私の顔が怖いから?」
キッキはまた少し考えてから答えを口にする。
「違うよ。キッキよりずっと怖い顔のトラのトトは、みんなに好かれているだろう」
お月様はまたもや笑って、キッキはなんだろうと考え込む。
そうして答えを見つけた。
「だったら、私があまりしゃべらないから?」
「違うね。キリンのリンは何も話さないけど、いつもニコニコしていて、みんなに好かれているだろう」
「そうだね」
一生懸命考えた答えを全部否定されて、キッキは困ってしまう。
「お月様。わかんないよ。だったら、なんでみんな私のことが嫌いなの?」
「それはね。キッキがいつもバナナを貰っても「ありがとう」って言わなくて、誰かとぶつかった時も「ごめんなさい」って謝らないからだろう。いつも何かに怒っていて、誰もキッキに近づきたくないんだよ」
「そうなの。だからなんだね」
キッキはお月様の言葉に頷いた後、黙りこくる。
そうしてしばらくして、顔を上げた。
「だったら、私がいつもニコニコしていて、バナナを貰ったら「ありがとう」って言って、誰かにぶつかった時も「ごめんなさい」って謝るよ。そうしたら、みんな私のこと好きになってくれるんだよね」
「そうだよ」
「だったらそうするよ」
翌日、キッキはお月様に言った様に、カバのパッパのようにお礼を言って、トラのトトのように誰かにぶつかると謝った。そしてみんなと一緒にいるときは、キリンのリンのようにニコニコするようにした。
そうして、キッキはみんなに好かれるようになった。
けれどもキッキは少しずつ疲れるようなっていた。
ある夜、キッキは夜空のお月様に聞いた。
「どうしてこんなに疲れるの?」
「それはみんなに好かれるように頑張ってるからだよ」
「好かれるって大変なんだね」
「そうだよ。だから、私はみんなから離れているんだ。こうすると、嫌われもしないし、好かれもしないだろう。孤独だけど、疲れないんだよ」
「お月様は羨ましいなあ」
疲れていたキッキは心底そう思いました。
こんな終わり。
行間から感じてくださいませ。




