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廻 空1
空から何かが降りてくるのが見えた。
それは溶けているのに固まっている金属で。
ゆっくり、ゆっくりとママとパパに降りそそいで。
私は、ああ、食べられてる、って。
「あ、あああ……。あ゛あ゛ああぁぁぁぁー!!」
「落ち着け。大丈夫だ。ここには僕しかいない。大丈夫、大丈夫だから」
「はぁ、はぁ……、あれ?私……」
おじさんが私の手を握ってくれている。
全身にかいた冷や汗のせいか、凍えるように寒い。
だけど、暖かい手の温もりと、静かに、優しくかけられた声が、私を今に引き戻してくれた。