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おしまいのものがたり  作者: stのおっさん
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死にたい、と思いながらも心の端の方で考えていた。

実際に命の危機が迫ったら、恥も外聞も無く死にたくないと、足掻く自分がいるんじゃないかって。


そんなことは無かった。

僕の命は、結局、自分の中で、最も低かった。


最底辺だった。


もう、命を捨てる理由が、出来てしまった。

人の為に、命をかける事が出来ると、分かってしまった。


もう一度襲われたら、僕は嬉々として彼女を助けるだろう。

意味の無かった僕の命が、意味を持って消えて逝くのだから。


さぞ気分が良いだろう。


糞野郎だな。

自分の事しか考えてない。


助けた、としても僕の命を、背負わせるのだ。


偶々、今回は二人とも生き残った。

次はそうなるかわからない。


なら、僕は真っ先に自分を棄てる。

嬉々として、棄てる。


廻は大分落ち着いて来ている。

彼女の為にも、僕は彼女から離れなくてはならない。


自分の命の責任くらい、自分で持たないと。

意味の無い物で、彼女に罪悪感を与える事は出来ない。


まだ生きてる人間達のコミュニティを探そう。

僕が生きているんだ。

きっとある。


それが、一番、いい。



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