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通り掛かったのは偶然。
バイトの帰り、場所は人の多い大通り。
奴等が数体飛んできて、これまた偶然、廻の両親を襲った。
で、僕はそれを見ていて、一拍子遅れて彼女が襲われた。
誰も動けなかった中、僕は彼女に飛び掛かっていた。
化け物に殴りかからないあたり、とても僕らしい。
あとはそのまま、思考の止まったままの廻を引き摺る様にその場から逃げた。
化け物どもは追い掛けては来なかった。
そりゃあそうだろう、他に食べ物は沢山いたのだから。
たかだか二匹逃げたところで、追いかける必要は無い。