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廻 空11
「……みつ……け!……はぁっ……はぁっ……」
車を背にしておじさんが呆然と立っているのが見える。よかった、間に合った。
「何で……ここに……?」
急いで来たせいで息が整わない。
私は息も絶え絶えにおじさんに、ちょっと待って、と伝えた。
「ほら……」
それを見かねてか、おじさんは困った顔で後頭部をぽりぽりとかくと、車からミネラルウォーターのペットボトルを放ってよこした。
「あり……がと……」
遠慮なくキャップを開けると、むせないようにゆっくりと水を喉に流し込む。乾燥して喉が張りついていた感覚が消えていく。呼吸も整っていく。
「それで、何でここに?」
私の様子を見て、もう大丈夫だとおもったんだろう。さっきと同じ問いかけをしてくる。
もう驚いた顔はしていない。というか、あんな驚いた顔は出会ってから初めて見た。何かあったときは、大体驚きじゃなくて困り顔だったような気がする。




