2/44
2
ちょうど一月前、確か北海道の端の方。
詳しくは分からないけどその辺に一つの隕石が落ちた。
最初は調査に行った人間だったらしい。
取り込まれるように喰われた。
それから溢れるように増殖し、世界中に広がった。
僕らを捕食する、金属の様な、生物の様な、化け物。
「この辺、減りましたよね」
ふと、彼女が言う。
「そうだね、食べ物が減ったからじゃないかな」
僕はそう答えた。
生きてる人が減った、多分見つかる人間も減った。
だから、奴等も減った。
僕らが呑気に食料確保に勤しんでいられるのも、その事が大きい。