出会いの予感
「高天ヶ原ってどうやっていくの?」
高天ヶ原ってそもそもどこにあるのかすらわからないもんね。
「あぁ、それなら大体どこからでも行けますよ。」
「え、どこからでもいけるの?」
なにそれ超便利じゃん。
「でも、行き方知らないと無理ですし、知ってても出来なければ無理ですよ。」
、まぁ、そうだよね。わかってたし。
俺にもできるかもとか思ってないし。
ほんとだし。
「ヘェ〜。なんか、イメージのまんま。」
なんやかんや着いたわけだけれども、
高天ヶ原ってなんか、ザ・和風って感じ。
昔の日本家屋の超豪華版みたいだなぁ。
でも大きさはそれぞれだな、普通なのもあるし。
まずはどこにいくんだろう。
あのでかいのとか行ってみたいかも。
「ほんとにここにきちゃったじゃん。」
「こちらで少々お待ちください。手続きしてきますので。」
手続き?チェックインみたいな感じかな?
旅館なの?ここ。
なんて考えてたら銀が戻ってきた。
「それでは、行きましょうか。」
「行くってどこによ。」
「まだ言ってませんでしたっけ?」
「だから聞いてんの。」
それから少し間を置いて、銀は答えた。
「謁見の間ですよ、これから見初めの儀を行いますので。」
わかんないこと増えたよ。
とまあ、よくわかんない感じで謁見の間に連れてこられたわけだけど、さっきからなんなのよまじ。
これがあの…とか、そうは見えん…とか、なにかの間違いではないのか…とか、なんなのマジ。
俺はパンダか、見せもんじゃないっての。
「では皆、静まりなされ。これより見初めの儀を執り行う。中央舞台におられますは御宮様が矛であり盾、
導にして従者、真田御狛。格を有し鬼を打つ神器が一端を担い立つ天の導き手。異議有る者は前へ。なければ静寂を持って賛同とせよ。、、、異議なしとす。これにて見初めの儀を終了とする。」
「なにこれ。ちゃんと説明してくれますかな?してくれますよね?ね?」
「先ほどの見初めの儀というとは、儀式と謳ってはいますがただの顔見せ会みたいなものです。御狛さんはここに来たばかりなので、これをしておかないといけないんですよ。」
なるほど、そーゆーことか。
「じゃあ、なんとかのなんとかみたいなのはなんだったの?」
「その辺の説明からですね。」
「よろしく頼む。」
いい笑顔ですねーいつもながら。
「ではまず、宮様についての説明ですが、宮様というのは氷華さんのことです。で、その神器というのは所謂、三種の神器ということです。御狛さんにはその草薙剣という位置を担って頂きます。」
「あぁ、つまり、氷華の部下みたいなもんか。」
「理解がはやいですね、御狛さんなのに。」
悪口にも笑顔を絶やさないとはさすが!感心しちゃう。
「うるせぇよ。で、三種の神器っつーからには他にもあるんだろ?」
「えぇ、ですので今から、会いに行きましょう。」
「こんどはどこ行くの。」
「宮様の邸宅、まぁ、私たちの家ですね。」
って連れてこられたけど、
「これは家じゃねぇよ‼︎‼︎‼︎‼︎」
これは町だろ。
どんだけ人いるわけ、店あるし。
「まぁそうですね。庭の一部を市場としてますので、
庭というよりは市場ですね。それは置いといて、はやく行きますよ。駄々こね始めたらめんどくさいので。」